さくらんぼキッス 〜爆発だも〜ん〜

さくらんぼキッス 〜爆発だも〜ん〜

「さくらんぼキッス 〜爆発だも〜ん〜」（さくらんぼキッス ばくはつだもーん）は、2003年3月14日に株式会社戯画からリリースされたアダルト向け恋愛アドベンチャーゲーム『カラフルキッス 〜12コの胸キュン!〜』のオープニングおよびエンディングテーマとして制作された楽曲である。歌唱と作詞はKOTOKO、作曲および編曲はC.G mixが担当した。

音楽性

この楽曲は、その独特な音楽性から電波ソングに分類される。随所に「♪好〜き好き好き（×4）」や「ハイハイ」といったキャッチーな合いの手が挿入されるほか、歌唱パートの合間には比較的長いセリフパートが組み込まれており、通常の合いの手とは一線を画す構成となっている。また、歌唱を担当するKOTOKOが、声優を思わせるような表現豊かなパフォーマンスを披露する場面も見られ、単なる歌に留まらず、セリフや合いの手など多様な要素が巧みに配されることで、エンターテイメント性と演出性の非常に高い楽曲に仕上がっている。黎明期の電波ソングを語る上で欠かせない代表的な楽曲の一つとして知られ、このジャンルのブームを牽引する存在として認識されている。制作サイドからは「キュンキュン系」と表現される方向性を持っている。

リリースと展開

本作は、ゲーム『カラフルキッス 〜12コの胸キュン!〜』の主題歌として、ゲーム本編やデモムービーなどで採用された。音源は、2002年12月末のコミックマーケットでデモムービーとともに初公開され、翌年1月には公式サイトでも公開。その後、1コーラスmp3やデモムービーなどを収録したプロモーションCDが主要都市で配布され、公式サイトでも内容が公開された。

音楽制作集団I'veは、本作の大ヒットを受け、明るい曲調や電波ソングを集めたコンセプトアルバム『SHORT CIRCUIT』を2003年11月にインディーズから発売した。

また、ゲームの開発元である戯画は、カラフルシリーズの続編である『カラフルハート 〜12コのきゅるるん♪〜』（2004年）や『カラフルウィッシュ 〜12コのマジ★キュン!〜』（2008年）でも、主題歌にKOTOKOとC.G mixの制作陣を継続して起用した。

後年、2020年発売のアダルトゲーム『アイキス2』ではカバーバージョンが、2022年発売のKOTOKOのアルバム『すぅぃ〜とさいくろん-☆いぇいっ☆-』にはセルフカバー版が収録されている。

評価と反響

本作は、音楽評論家や同業者からも注目を集めた。音楽評論家の冨田明宏は、2000年代の「萌える音楽」に関する考察の中で、電波ソングというジャンル確立に大きな影響を与えた一曲として挙げ、その独自の世界観と音楽性を指摘した。書籍『現代視覚文化研究』でも、KOTOKOの極限のテンションを示す電波ソングの一つとして名前が挙がっている。

同業者からの反響もあり、音楽ユニットMOSAIC.WAVのみ〜こは、ユニット結成時に本作の曲調を参考にしたと語る。歌手のLiSAは、詞中の独特な挿入フレーズを「心の中をそのまま歌詞にしているイメージ」と評し、KOTOKOの詞の中で最も好きな作品だと述べている。KOTOKO自身も、作詞は「自分のことばで歌う」ことを大切にしており、指摘された箇所は意図的に意識した部分であったと振り返っている。

主な収録CD

カラフルキッス 〜12コの胸キュン!〜 主題歌マキシシングル
SHORT CIRCUIT
戯画オープニングサウンドトラック Vol.2
カラフルサウンドコレクション
オマイラBEST -SHORT CIRCUIT BEST-（ファン投票第1位）
KOTOKO's GAME SONG COMPLETE BOX "The Bible"

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