さやわか

さやわか：多岐にわたる分野で活躍する評論家・ライター

さやわか（1974年 - ）は、北海道出身のライターであり、物語評論家としても知られています。『ユリイカ』や『Quick Japan』などの雑誌を中心に執筆活動を行い、幅広いテーマに対して独自の視点から批評を展開しています。また、rhyme、ice9、髭ブラジャー、ソメルといった名義を使い分け、複数のウェブサイトを運営していたことでも知られています。

多様な活動領域

さやわかの活動は、ウェブサイト運営から雑誌への寄稿、書籍の執筆、漫画原作、ゲンロンでの講師など、多岐にわたります。アイドル、小説、漫画、映画、音楽、ゲームといった様々なジャンルを対象とし、それぞれの作品に潜む物語を深く読み解く評論スタイルが特徴です。友人の漫画家・西島大介との共同作業も多く、独自の表現世界を構築しています。

ウェブサイト運営

1990年代末から2000年代初頭にかけて、「ムーノーローカル」「ニーツオルグ」「Hang Reviewers High」といった個性的なウェブサイトを運営しました。

ムーノーローカル時代

1998年後半、rhyme名義で個人ニュースサイト「ムーノーローカル」を立ち上げました。当初は「(the frontline of the)sever HEAD HUNTERZ'」というサイト名で、「猥褻警官教師電波援交食品遺物関連ニュース系サイト」を自称。社会面に着目した記事やアングラ情報を取り上げる「どーでもいいトピックス」というコンテンツで人気を博しました。

1999年には、他のアンダーグラウンド系ニュースサイトが「ムーノーローカル」のデザインを模倣する「ムーノーデー」という企画が実施され、話題を集めました。これは、特定のサイトのデザインを他のサイトが一斉に真似る企画の先駆けとなりました。

2001年に閉鎖されましたが、閉鎖後も『ネットランナー』で連載「復活！ムーノー」を担当し、ウェブでの活動を継続しました。

さやわか、ニーツオルグ、ice9時代

2001年9月頃からは、日記サイト「さやわか」を運営。サイト名がそのままハンドルネームとなりました。

2002年5月には、物語サイト「ニーツオルグ」を立ち上げました。「ムーノーローカル」とは対照的に、個人的な感情や思考を綴るテキストが中心で、インターネットラジオ放送「neats.rpm」も人気を集めました。Perfumeの楽曲「スウィートドーナッツ」がHayakiによって紹介され、話題を呼んだこともありました。

2006年4月には、ブログ「ice9」を運営。1ヶ月限定で毎日更新するという企画で、注目を集めました。

Hang Reviewers High～現在

2006年10月からは、ソメル名義でレビューサイト「Hang Reviewers High」を運営しています。当初は仮設サイトという位置づけでしたが、長期的な運営となっています。

雑誌・書籍での活動

2000年代後半からは、『ユリイカ』、『Quick Japan』、『STUDIO VOICE』などの雑誌に定期的に寄稿するようになります。幅広いテーマに関する評論や、西島大介との対談などを掲載。2012年には初の単著『僕たちのゲーム史』を刊行し、ゲームの歴史を独自の視点から描き出しました。

その他、『AKB商法とは何だったのか』,『一〇年代文化論』,『キャラの思考法 現代文化論のアップグレード』など多数の著書があります。

ゲンロンでの活動

近年では、ゲンロンの企画にも深く関わっています。「ゲンロン ひらめき☆マンガ教室」では西島大介と共に主任講師を務め、若手漫画家の育成に尽力。また、『ゲンロン』誌への寄稿や、関連イベントへの出演も多数行っています。

漫画原作

漫画原作も手がけており、ふみふみこ作画の『qtμt キューティーミューティー』や『永守くんが一途すぎて困る。』などを担当しています。また、アニメ『スター・ウォーズ: ビジョンズ』の一編「のらうさロップと緋桜お蝶」の脚本も担当しました。

現代文化への批評

さやわかは、現代文化の様々な現象を独自の視点から分析し、批評を展開しています。その対象は、ゲーム、アイドル、漫画、文学など多岐にわたり、それぞれの作品に込められたメッセージや社会的な背景を深く掘り下げています。今後の活動にも注目が集まっています。

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