さよなら三角

『さよなら三角』

概要

『さよなら三角』は、原秀則が手がけた日本の漫画作品で、1981年から1984年までの間、『週刊少年サンデー』で連載されました。この作品は全17巻にわたって、小学館から刊行されています。また、漫画の人気を受けて1983年にはテレビドラマ化もされました。

物語は、中学3年生の上条拓と星野明日香、隣りに住む2人の幼なじみの成長を描いており、高校受験から大学受験までの3年間を通した青春ストーリーです。拓は成績が振るわない落ちこぼれの少年であり、明日香は優秀な成績を誇る美少女。彼らの関係性が物語を通して徐々に変化していく様子が描かれます。

この作品は、原のデビュー作でもあり、彼は元々コックやアニメーターを目指していたものの、当時の担当編集者のアドバイスを受けて漫画の道へ進むこととなりました。原自らが「アイデアマンではない」と語る通り、本作はアイデアよりもキャラクターの個性や感情の描写に重点を置いています。

評価

『さよなら三角』は、あだち充のラブコメ作品に影響を受けたスタイルを持ちつつ、独自の表現方法を確立しました。漫画評論家の中田健太郎は、本作が『少年サンデー』のラブコメ路線を象徴する作品としての地位を確立したことを指摘しています。特に、画面の「白さ」といった見た目の特徴が、本作を他の作品と際立たせています。

また、伊藤剛は『さよなら三角』を『タッチ』と繋がる要素を持つ作品として再評価する必要があるとし、影響を与えた作品として『キックオフ』を挙げています。これにより、本作の持つ深い感情描写が広く評価される要因となっています。

さらに、島本和彦も本作の独自性を認めており、新人のラブコメ作品と比べて相対的に完成度が高いとその魅力に触れています。

ストーリー

中学3年生の上条拓と星野明日香は、岬高校への進学を目指す同級生です。拓は明日香と比べて成績が低空飛行、一方の明日香はその優秀さを誇ります。しかし、ある出来事をきっかけに彼女の高校受験が失敗してしまいます。明日香は美人の女子大生に家庭教師を依頼し、これにより拓がかろうじて合格を勝ち取ることになりますが、明日香は浪人生活を余儀なくされます。

高校に入学した拓は、サッカー部に入部し、明るく充実した学園生活を楽しみながらも、恋愛や友人たちとの時間を大切にします。明日香は事務員として働きながら、時にはサッカー部のマネージャーとしてサポートしますが、拓との関係は一見変化がないように見えます。やがて、受験シーズンが訪れると、拓は努力が実を結ばず不合格になってしまいますが、ひょんなことから絵画の実力が評価され美術大学を受験することになります。このように、彼のリア充な生活はますます豊かになっていきます。

登場人物

• - 上条 拓 (かみじょう たく): 物語の主人公で、サッカー部に所属。恋愛やスポーツを楽しむ陽気なキャラクター。
• - 星野 明日香 (ほしの あすか): ヒロインで、成績優秀な真面目な女の子。受験に失敗し浪人生となり、拓を支える存在。
• - 片桐 (かたぎり): サッカー部のキャプテン。
• - 高坂 真由美 (たかさか まゆみ): サッカー部のマネージャー。

このように、本作は青春、恋愛、友情を描いた感動的なストーリーとなっており、多くのファンに愛され続けています。

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