さらば女ともだち

テレビドラマ『さらば女ともだち』

『さらば女ともだち』は、1983年2月3日から3月24日までテレビ朝日系列で放送された全8回のテレビドラマです。この作品は、東洋テレビの人事部課長・高辺信の人生が展開する物語であり、彼の周囲の人間関係を通じて、深く考えさせられるテーマが描かれています。

ストーリー概要

物語の主人公、高辺信は真面目な性格で部下からも信頼される人事部の課長です。しかし、彼の平穏な生活は、10年連れ添った妻・美子からの突然の離婚の告知によって一変します。信は自分のどこに問題があったのかを理解できず、ショックのあまり自宅を飛び出し、ホテルに一泊するも、閉所恐怖症のためにすぐにその場を後にします。苦しい心情の中、彼がたどり着いたのは、独り暮らしをする友人・竹井誠のマンションでした。

誠はブライダル・プランニングの会社を経営しており、独身生活を楽しんでいます。しかし、彼には一人娘がいて、彼女との関係についての悩みも抱えています。信が誠の家に居着くことになり、二人は中年男同士の共同生活を始めます。そして、互いの生活スタイルの違いから、様々なドラマが生まれていきます。

人物関係

麻子、誠の一人娘が神戸から上京し、父の姿を探し求める場面も描かれます。彼女は、誠がどのような人間なのかを理解しようとしますが、その過程で信とも出会います。同時に、信は誠と一緒に飲みに行く仲間たちとも交流し、自分の心の傷を癒す過程を経ていきます。信と誠の異なる価値観や生き方は、次第にお互いの成長を促す要因となります。

また、信の妻・高辺美子も重要な存在です。美子は友人の田井早苗に相談し、彼女の離婚経験に基づく助言を受けながら、新たな人生を模索していきます。こうした人間関係を通じて、視聴者には離婚や人間関係の難しさ、友情の重要性について考えさせられる要素が盛り込まれています。

制作背景

このドラマは、舞台劇『おかしな二人』を元にしたもので、脚本家の福田陽一郎が手掛けました。彼は、これまでに培った舞台の経験を活かし、テレビ向けの新たなコメディーを目指しました。ドラマは“大人のドラマ”という位置付けで、家庭向けの内容から一歩進んだヒューマンコメディーが追求されています。

主題歌「さらば女ともだち」と挿入歌「女嫌いのバラード」は、主演の二人がデュエットで歌い、話題となりました。これらの曲は後に大御所俳優同士の珍妙な組み合わせとして注目を集め、カルト的人気を得ることになります。

出演者

主演の杉浦直樹（竹井誠役）と石立鉄男（高辺信役）をはじめ、浅野温子（竹井麻子役）、井上純一（宝田修一役）など、多彩なキャストが揃い、ドラマに深みを与えました。特に、竹井誠の素顔を探し求める竹井麻子との関係が物語の核となり、視聴者に強いメッセージを送ります。

このように『さらば女ともだち』は、友情、離婚、自己発見といったテーマを描き続け、今でも多くの人々に記憶されている作品です。

もう一度検索