さらば青春の光 (オリジナル・サウンドトラック)

『さらば青春の光 (オリジナル・サウンドトラック)』解説

『さらば青春の光 (オリジナル・サウンドトラック)』は、1979年に公開されたフランク・ロッダム監督のイギリス映画『さらば青春の光』（原題：Quadrophenia）のサウンドトラックアルバムです。この映画は、ザ・フーが1973年に発表したアルバム『四重人格』を原作としており、1960年代のイギリスにおけるモッズと呼ばれる若者たちのライフスタイルや葛藤を描いています。

サウンドトラックの内容

サウンドトラックは2枚組で構成され、ザ・フーの楽曲を中心に、当時の若者に人気を博したR&Bやソウルミュージックなどが収録されています。ザ・フーの楽曲は、アルバム『四重人格』からの選曲に加えて、未発表曲も含まれており、音楽監督を務めたジョン・エントウィッスルによるリミックスも施されています。

ザ・フーの楽曲

サウンドトラックには、ザ・フーの楽曲が13曲収録されています。そのうち10曲は『四重人格』からの選曲で、「ぼくは海」と「ヘルプレス・ダンサー」を除く8曲は、ジョン・エントウィッスルによってリミックスされています。彼はまた、「リアル・ミー」、「少年とゴッドファーザー」、「ドクター・ジミー」のベース・ギターパートを再録音し、リミックスに新たな彩りを加えています。

また、未発表曲として「Get Out and Stay Out」などが収録されています。これらの楽曲は、『四重人格』の制作時にピート・タウンゼントによって書かれたものの、当時は使用されなかった楽曲で、映画化に際して新たに録音されました。

ザ・フーの関連楽曲としては、彼らがザ・ハイ・ナンバーズ名義で発表した「ズート・スーツ」も収録されています。

その他の楽曲

ザ・フーの楽曲以外にも、「ハイ・ヒール・スニーカーズ」、「ナイト・トレイン」、「ルイ・ルイ」、「グリーン・オニオン」など、1960年代の若者に人気があったR&Bやソウルミュージックが多数収録されています。これらの楽曲は、映画の時代背景や雰囲気を盛り上げるために重要な役割を果たしています。

映画とサウンドトラックの関係

映画『さらば青春の光』は、アルバム『四重人格』を原作としていますが、物語の焦点は主人公ジミーの個人的な苦悩だけでなく、モッズという若者集団の文化全体に当てられています。そのため、サウンドトラックには『四重人格』の収録曲だけでなく、当時の若者文化を象徴する様々な楽曲が収録されています。

サウンドトラック未収録曲

映画には使用されたものの、サウンドトラックに収録されていない楽曲も存在します。ザ・フーの「エニウェイ・エニハウ・エニホエア」や「マイ・ジェネレーション」などがその例です。また、『四重人格』の収録曲である「四重人格」、「カット・マイ・ヘアー」、「ぼくの頭の中に」もサウンドトラックには収録されていません。

まとめ

『さらば青春の光 (オリジナル・サウンドトラック)』は、映画『さらば青春の光』の世界観を音楽で表現した作品であり、ザ・フーのファンだけでなく、1960年代の若者文化に興味がある人にとっても楽しめる内容となっています。

このアルバムは、映画の公開とともに大きな話題を呼び、ザ・フーの音楽的評価をさらに高めることとなりました。また、映画自体もモッズカルチャーを代表する作品として、現在でも多くの人々に愛されています。

もう一度検索