さるびあ丸 (2代)

さるびあ丸について

さるびあ丸（さるびあまる）は、1992年に就航した東海汽船の貨客船です。この船は、東京から伊豆大島や神津島、さらには八丈島への航路を運航しており、伊豆諸島の島民からは愛称として「さる」と呼ばれることもあります。初代のさるびあ丸が就航したのは1973年で、約20年の運航を経て技術的な進化を図るために代船として建造されたのが現在のさるびあ丸です。

概要と歴史

さるびあ丸は、三菱重工業下関造船所で建造され、1992年12月25日に就航しました。この就航により、初代のさるびあ丸は引退し、最終的にはインドネシアに売却されました。新しいさるびあ丸は東海汽船の船舶として初めて5,000総トンを超える大型船で、純客船であった初代と違い、貨物の搭載量が増加するとともに、旅客設備も充実しました。この変化により、船客定員は初代より少なく設定されていますが、それでも快適な旅を提供できるように工夫されています。

当初、本船は「さるびあ丸2」と名づけられましたが、後に現在の名前に改名されました。現在でも船内の一部には「2」という表示が残されています。乗客の快適さを重視し、2013年には特等船室のみに設置されていたシャワールームが他の客も利用できるように整備されました。また、上級船室の追加や座席の指定制化により、旅客の利便性が向上しましたが、全体の船客定員が減少しました。ただし、席が満員でも通路やパブリックスペースで過ごすことができるため、俗に「席無し券」を購入しての利用が可能なのも特徴です。

2002年には、すとれちあ丸の引退に伴い、運航エリアが変わり、近海へ移行。その際には、救命艇の設置など安全面の改修が行われました。そして、2020年6月25日に別の新しいさるびあ丸が就航することに伴い、この船は運航を終了。2020年12月20日にはパナマ船籍の「MV Bay One」となり、バングラデシュの船会社によってコックスバザールとセントマーティン島間の定期航路に運航されることになりました。

船内設備

さるびあ丸は快適な旅を提供するために多くの設備を備えています。定員の異なる様々な船室が用意されており、特等室や特1等室、1等室、特2等室、2等和室、2等椅子席など、乗客のニーズに応じた選択が可能です。

また、船内には案内所やレストラン、シャワールーム、自動販売機も完備されており、旅の途中での疲れを癒すための施設が整っています。

航路

さるびあ丸は、以下の主要な航路で運航されていました。

• - 東京 - 大島 - 神津島航路
• - 東京 - 横浜 - 伊豆大島 - 利島 - 新島 - 式根島 - 神津島

この中で、横浜港への寄港は7月と8月を除いた特定の金・土曜日と土・日曜日に行われていました。

また、夏期には東京湾納涼船として特別な運航が行われ、浴衣を着た乗客には料金の割引があるなど、季節ごとに楽しめるイベントも用意されていました。

まとめ

さるびあ丸は多くの人々に愛され、長い歴史を持っていました。私たちの心に残る素敵な船として、多くの思い出を作った船の一つなのです。さるびあ丸の運航が終了した今、その魅力は他の利用者や次世代の船舶に引き継がれていくことでしょう。

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