さんふらわあ だいせつ

さんふらわあ だいせつの歴史と概要

さんふらわあ だいせつは、商船三井フェリーが運航するフェリーです。この船は、もともとは九越フェリーが運航していたニューれいんぼうらぶとして2001年7月に室蘭港、直江津港、博多港を結ぶ航路に就航しました。その後、2006年12月に商船三井フェリーへ移籍し、さんふらわあ みと、さんふらわあ つくばと等価交換されています。同時期に船名はさんふらわあ だいせつに改名され、苫小牧港と大洗港を結ぶ航路の深夜便に就航しました。

さんふらわあ だいせつの建造は、船価の高騰を受けて、安価で低金利な船を建造する必要性から生まれたと言えるでしょう。既存のれいんぼうべる型船の過剰な設備が問題となっていた当時、省エネ、省力化を重視した設計が採用されました。れいんぼうべる型の基本設計概念を継承しつつ、主機馬力を10%以上削減することで、環境負荷低減船第一号認定を取得しています。さらに、バリアフリー化も推進され、エレベーターの設置やバリアフリー対応客室の整備、1段ベッドのみのモノクラス化による居住性向上などが図られました。これらの改良によって、サービスの省力化と乗客の快適性の向上という両面での改善が実現しています。

2025年には、後継船であるさんふらわあ かむい、さんふらわあ ぴりかが就航予定のため、さんふらわあ だいせつは引退することになっています。長年に渡り、多くの旅客と貨物を運搬してきたさんふらわあ だいせつの功績は、フェリー業界において大きなものと言えるでしょう。

航路と就航状況

さんふらわあ だいせつは、その歴史の中で2つの主要な航路に就航しました。まず、九越フェリー時代には、室蘭港、直江津港、博多港を結ぶ航路で、ニューれいんぼうべる（現・さんふらわあ しれとこ）とともに隔日運航されていました。その後、商船三井フェリーに移籍後は、苫小牧港と大洗港を結ぶ航路の深夜便を担当し、同様にさんふらわあ しれことともに運航されています。

設備と特徴

さんふらわあ だいせつの船内設備は、乗客の快適性を考慮した設計が特徴です。Aデッキには、特別室（商船三井時代はデラックスルーム）、レストラン・軽食コーナー（レインボーホール）、展望ラウンジ、展望浴場、ゲームコーナーなどが設置されています。Bデッキには、2等寝台（商船三井時代はカジュアルルーム）、一般区画、ドライバー区画、案内所、ドライバー浴室、ドライバー娯楽室、そしてペットルーム（商船三井時代に新設）などがあり、様々な乗客のニーズに対応できる設備が整えられています。

事故と安全対策

さんふらわあ だいせつの運航中には、2件の重大な事故が発生しました。

1件目は、2009年1月31日に発生した灯浮標への衝突事故です。大洗港に入港する際に、突風により圧流され、防波堤入口の灯浮標に衝突しました。この事故は、発達した低気圧による強風によって引き起こされたもので、船尾外板の擦過傷とプロペラの曲損、灯浮標の損傷という結果となりました。

2件目は、2015年7月31日に発生した車両甲板火災です。苫小牧港沖合で発生したこの火災は、トラックの保冷機の故障が原因で、未申告で積載されていた大量の小型ガスボンベに引火し、大規模な被害へと拡大しました。乗客は全員避難しましたが、2等航海士が行方不明となり、後に死亡が確認されました。この事故を受け、船体修理と安全対策強化が行われ、消火プランの策定・訓練、消火設備の増設などが実施されました。その後、約半年の運休を経て、2016年2月に運航を再開しています。

これらの事故を通して、さんふらわあ だいせつは安全対策の強化を図り、航海の安全を確保することに努めてきました。

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