さんふらわあ ふらの

さんふらわあ ふらの：北海道航路を結ぶ次世代フェリー

2017年5月、商船三井フェリーに新たな主力フェリーとして就航した「さんふらわあ ふらの」。初代「さんふらわあ ふらの」の後継として、ジャパン マリンユナイテッド横浜事業所で建造されました。本船は同社にとって初の新造船ということもあり、高い期待を背負って運航を開始しました。

デザインと性能：環境性能と快適性の融合

船体デザインは、従来の青線を一部2本線に変更し、洗練された印象に。そして、注目すべきは、国内フェリーで初となるハイブリッド推進システムの採用です。主機と電動機を状況に応じて使い分けることで、燃費効率と操船性能の両立を実現しています。このシステムと最適化された船型、そしてCRP推進システムにより、優れた低燃費性能を誇ります。24ノットという高速性も持ち合わせ、大洗港の出港時刻を遅らせることで、より広い範囲からの集荷に対応できるようになりました。

船内設備：充実の空間とサービス

船内インテリアは、北海道の自然と人間をテーマに、白樺を基調としたデザインが施されています。設計には、客船「にっぽん丸」のインテリアデザインも手がけた渡辺友之氏が携わり、北海道大学卒業の女性デザイナーのコンセプトに基づいた空間演出が魅力です。

客室は、プライバシー重視の個室を約2割増やし、快適性の向上に力を入れています。スイートやプレミアム客室には専用バルコニーが、スーペリア客室にはシャワー・トイレが設置されるなど、設備も充実。バリアフリー対応も徹底され、エレベーターの強化やバリアフリー対応客室の設置など、すべての乗客が快適に過ごせるよう配慮されています。

エンターテイメントシステム「SSQ(Sunflower Smart Quest)」では、船内のタッチパネル型デジタルサイネージで様々な情報を提供。さらに、船内無線LANによる映画コンテンツ配信や、ミニゲーム機能も搭載し、船旅をより一層楽しく過ごせる工夫が凝らされています。

ペット同伴の客室やドッグランの設置、売店の面積拡大など、一般レジャー客への対応も強化。トラックドライバー向けには、専用食堂、浴室、サウナなどを備えたドライバーズルームが用意され、快適な休憩空間を提供しています。

客室紹介

各階の客室構成は以下の通りです。

7階: 展望デッキ、スイート、プレミアム客室
6階: 展望デッキ、レストラン、ゲームコーナー、ドライバー食堂、スーペリア客室
* 5階: 案内所、ショップ、プロムナードデッキ、展望浴室、展望デッキ、ドッグラン、婦人パウダールーム、キッズランド、スーペリア客室、コンフォート、ツーリスト、ドライバーズルーム、ドライバー浴室、ドライバー娯楽室

安全への取り組み

2015年の「さんふらわあ だいせつ」火災を教訓に、車両甲板やエンジンルームに約40台の常時監視カメラを設置するなど、防火設備の強化を図りました。防火服の耐熱強化・軽量化、ホースの改良による2か所同時放水など、万が一の事態にも迅速に対応できるよう、安全対策にも力を入れています。

事故・インシデント

2018年1月には、大洗港着岸時に岸壁に衝突する事故が発生しました。原因は、推進システムの違いを考慮しない操船による減速の遅れとされています。この事故を教訓に、安全操船の徹底が改めて重要視されています。

ONE PIECEとのコラボレーション

2023年からは、アニメ「ONE PIECE」とのコラボレーション企画を実施。夏季のキャンペーン期間中は、船体のファンネルマークをONE PIECEのデザインに変更しています。2023年は麦わらの一味、2024年はルフィのデフォルメイラストがデザインされました。

まとめ

「さんふらわあ ふらの」は、環境性能、快適性、安全性に優れた、次世代フェリーの代表格と言えるでしょう。北海道への旅を快適に、そして安全に送りたい方にとって、最適な選択肢となるでしょう。

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