しあわせの予感

概要

「しあわせの予感」（英語原題: With a Little Luck）は、ポール・マッカートニー率いるバンド、ポール・マッカートニー&ウイングスが1978年に発表した楽曲です。同年にリリースされたウイングスのアルバム『ロンドン・タウン』に収録され、そのアルバムから最初にシングルカットされた楽曲としてリリースされました。発表当初の日本盤シングルにおける邦題は「愛の幸運」でしたが、後に「しあわせの予感」に改められ、この名称が定着しました。この楽曲は、特にアメリカ合衆国で商業的な成功を収め、主要な音楽チャートで首位を獲得するなど、ウイングス後期の重要な代表曲の一つとして広く認識されています。

楽曲情報と制作背景

「しあわせの予感」は、1978年に発表されたウイングスのスタジオ・アルバム『ロンドン・タウン』に収められています。アルバムのトラックリストにおいては9曲目に位置し、LPレコード盤ではB面の冒頭を飾る楽曲として配置されていました。

アルバム『ロンドン・タウン』の制作は、一般的なスタジオではなく、船上で行われたユニークなレコーディングセッションが中心となっています。「しあわせの予感」も、この船上でのセッションで録音された楽曲の一つです。こうした特別な環境下で制作されたことは、楽曲の持つ穏やかで叙情的な雰囲気にも反映されていると考えられます。

シングルリリース

この楽曲は、アルバム『ロンドン・タウン』に先駆け、1978年4月23日にシングルレコードとしてリリースされました。これは、アルバムからの最初の公式シングルカットとなります。シングルのB面には、同じくアルバム『ロンドン・タウン』に収録されている「なつかしの昔よ（Backwards Traveller）」と「カフ・リンクをはずして（Cuff Link）」という2曲が、一つのメドレー形式で収められました。このシングルリリースは、アルバム『ロンドン・タウン』への期待を高める役割も果たしました。

チャート成績

「しあわせの予感」は、特にアメリカ合衆国において大きな商業的成功を収めました。各国の主要な音楽チャートで高い順位を記録しています。

アメリカ（ビルボード誌）: アメリカの代表的な音楽業界誌であるビルボードが発表する週間シングルチャート（Billboard Hot 100）では、1978年5月20日付のチャートで見事第1位を獲得しました。これはポール・マッカートニーおよびウイングスにとって、アメリカでの人気の高さを改めて示す重要なマイルストーンとなりました。さらに、ビルボード誌が発表した1978年の年間シングルランキングでは、第28位にランクインしています。
アメリカ（キャッシュボックス誌）: ビルボード誌と並び称されるキャッシュボックス誌の週間シングルチャートでも、優れた成績を収めました。1978年5月20日付およびそれに続く5月28日付のチャートで、2週連続となる第1位を獲得しました。キャッシュボックス誌の1978年年間ランキングでは、第32位を記録しています。
イギリス: ポール・マッカートニー&ウイングスの母国であるイギリスの全英シングルチャートでは、最高位5位をマークしました。アメリカほどの首位獲得には至りませんでしたが、それでもイギリス国内においても主要なヒット曲として広く認知されました。

その他の収録アルバム

「しあわせの予感」は、その人気と重要性から、オリジナルアルバムである『ロンドン・タウン』以外にも、ポール・マッカートニーやウイングスのキャリアを振り返る様々なベストアルバムやコンピレーション盤にたびたび収録されています。代表的な収録アルバムとしては、以下のものが挙げられます。

『グレイテスト・ヒッツ (Wings Greatest)』
『オール・ザ・ベスト (All the Best!)』
『夢の翼〜ヒッツ&ヒストリー〜 (Wingspan: Hits and History)』
* 『ピュア・マッカートニー～オール・タイム・ベスト (Pure McCartney)』

これらのアルバムへの収録は、楽曲が単なる一過性のヒットにとどまらず、長年にわたりポール・マッカートニーの音楽活動を代表する一曲として評価されていることを物語っています。

収録曲 (シングル)

1978年4月23日にリリースされた日本盤シングル（東芝EMI、EPS-80908）の収録曲は以下の通りです。

1. しあわせの予感 (With a Little Luck) - A面
2. なつかしの昔よ～カフ・リンクをはずして (Backwards Traveller～Cuff Link) - B面 (メドレー)

まとめ

「しあわせの予感」は、1978年にポール・マッカートニー&ウイングスが発表し、彼らのアルバム『ロンドン・タウン』からの先行シングルとして大きな成功を収めた楽曲です。洋上でのユニークなレコーディングを経て誕生し、特にアメリカではビルボード誌とキャッシュボックス誌の両チャートで週間第1位を獲得するなど、輝かしい成績を残しました。発表から時を経た現在でも、ポール・マッカートニーのソロキャリアおよびウイングス時代の重要な楽曲として、多くのベストアルバムに収録され続け、世界中のリスナーに愛され続けています。

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