しなの川

漫画および映画『しなの川』

『しなの川』（しなのがわ）は、1973年から1974年にかけてヤングコミックに連載された上村一夫による漫画で、原作は岡崎英生です。また、1973年には野村芳太郎監督によって映画化されるなど、幅広いメディアで評価されている作品です。この物語は、昭和初期の日本を背景に、若い男女の恋愛と葛藤を描いています。

あらすじ

物語は昭和3年から始まります。17歳の青年、朝田竜吉は新潟県十日町の高野家に奉公に出ます。そこで出会ったのが、高等女学校に通う娘、高野雪絵です。雪絵は、駆け落ちした母のことを気にしており、心に葛藤を抱えています。二人の絆は徐々に深まりますが、雪絵は転校を余儀なくされ、やがて彼女は国語教師の沖島雄介と恋仲になります。

雪絵は沖島と駆け落ちを決意しますが、彼との関係は疎遠になり、再び竜吉の元へ戻ります。不幸な運命を背負った二人は信濃川に身を投じることを選びますが、奇跡的に命は助かります。その後、雪絵は母を探し回り、運命の再会を果たします。彼女は母から自らの家族の秘密や女としての生き方を教えてもらい、心の中の葛藤を乗り越えます。

物語の最後では、父親との和解を果たし、父の薦める縁談を受け入れる決意をする雪絵。嫁入りの日、彼女の姿を見つめる竜吉は、満州へ旅立たざるを得なくなります。このように『しなの川』は、個人の成長と愛の葛藤を描いた感動的な作品になっています。

漫画と映画の情報

『しなの川』は、1973年に少年画報社から連載が始まり、約30年後の2005年にK&Bパブリッシャーズから全3巻として出版されました。また、映画化された際の主要スタッフには、原作を手がけた岡崎英生や監督の野村芳太郎、脚本のジェームス三木などが名を連ねています。

映画では、由美かおるが高野雪絵役を演じ、朝田竜吉は仲雅美が務めました。他にも多くの役者が参加し、作品に深みを与えています。また、主題歌は由美かおるの歌声で「しなの川〜雪のさだめ」として多くの人に親しまれています。

エピソードと受容

本作には、由美かおるが全裸で水浴びするシーンがあり、美しいCMNF（Clothed Male, Naked Female）シーンとして話題になりました。映画と同時にリリースされたコンテンツに盗作の指摘がありましたが、後に無関係と確認されました。

また、1980年代初頭には松竹ホームビデオからテレビサイズのビデオソフトが発売され、その後もDVDやBlu-rayとしてのリリースが行われています。

このように、『しなの川』はそのストーリー性とキャラクターの魅力で、長年にわたって愛され続ける作品です。

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