野村芳太郎

野村芳太郎について

野村芳太郎（のむら よしたろう）は、1919年に京都で生まれ、2005年に85歳で亡くなった著名な日本の映画監督です。彼の父、野村芳亭もまた映画監督として知られ、松竹蒲田撮影所の所長を務めるなど、その影響を色濃く受けて育ちました。野村は幼少期を京都と東京で過ごし、慶應義塾大学文学部芸術学科を卒業後、1941年に松竹大船撮影所に入社。その後、映画監督としての道を歩み始めました。

監督としてのキャリア

監督デビューは1952年の『鳩』であり、初期は多くのジャンルの作品に携わりながら、特に喜劇や時代劇においてその技術を磨きました。彼が広く知られることとなったのは1958年のサスペンス作品『張込み』です。この作品をきっかけに、彼は社会派の要素を取り入れたショッキングな描写の作品を次々と制作し、多くの名作を世に送り出しました。

特に、1974年の『砂の器』は、モスクワ国際[[映画祭]]で審査員特別賞を受賞し、彼の名声を不動のものとしました。また、1978年には松本清張と共同で「霧プロダクション」を設立し、清張作品の映画化に力を注ぎましたが、1984年に意見の相違から解散に至りました。

受賞歴と影響

野村は、1985年に紫綬褒章、1995年には勲四等旭日小綬章を受章しています。彼の作品群には、社会問題を扱ったものや推理小説の要素を持った映画が多く、特に『震える舌』や『真夜中の招待状』に見られるオカルト的な要素が評価されました。信条として「映画の良し悪しは観客が決める」と語り、自身の作品に対する客観的な姿勢を貫いていました。

私生活と趣味

私生活では、推理小説の大ファンであり、食事や撮影中にもその話題がよく出たと言われています。彼の自宅には推理小説が溢れ、作品の出来栄えに対するプライドを持ちながらも、他人からの影響を大切にする姿勢がありました。また、運転好きでもあり、撮影が終わると自宅に向かう際は猛スピードで運転するのが日課だったといいます。

門下生たち

門下生には、山田洋次や森崎東など、後の映画界を担う才能も育てました。特に、渥美清主演の『拝啓天皇陛下様』は、彼らが喜劇映画に挑戦する先駆けとも言えます。

主要な作品

数多くの作品を残した野村ですが、代表作には以下のものがあります：
1. 鳩（1952年）
2. 張込み（1958年）
3. 砂の器（1974年）
4. 昭和枯れすすき（1975年）
5. 八つ墓村（1977年）
6. 鬼畜（1978年）
7. 震える舌（1980年）
8. 真夜中の招待状（1981年）

このように、野村芳太郎は長いキャリアを通じて日本映画に多大な貢献をし続け、その作品は今も多くの人々に親しまれています。そして、彼の残した作品は日本映画史における金字塔とも言えるでしょう。

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