しなやかに歌って

「しなやかに歌って-80年代に向って-」

山口百恵の「しなやかに歌って-80年代に向って-」は、1979年9月1日にリリースされた彼女の27枚目のシングルです。この曲は、発表当初から多くの歌謡ファンに愛され続けており、歌世代の象徴的な存在となりました。製作元はCBSソニーで、百恵の音楽キャリアの大きな一歩となる作品です。

歌詞と収録の裏側

楽曲の冒頭部分にあたる「しなやかに歌って」から「この歌を」までの歌詞について、レコーディング時に山口百恵は歌っておらず、バックコーラス陣が担当していました。しかし、テレビや各種音楽番組では百恵自身がこのパートを歌い上げていて、観客に深い印象を与えたとされています。最初の編曲は萩田光雄によるものでしたが、音楽プロデューサーの酒井政利などの意向により、川口真のアレンジが最終的に採用されることとなりました。

1979年の恋と引退

このシングルリリースの約2ヶ月後となる10月20日、山口百恵は俳優の三浦友和との恋人宣言をしました。この発表は多くの報道に注目され、ファンの心にも大きな影響を与えました。更に、彼女は1980年に結婚を発表し、引退を果たします。特に、当曲は1979年末の「第30回NHK紅白歌合戦」への出場曲としても名を馳せ、百恵にとってこの紅白が最後の出演となりました。

シングル化の経緯

リリース当初は、引退後の1982年に発売される予定だったベストアルバム『Again 百恵 あなたへの子守唄』に収録される「あなたへの子守唄」がシングルとして発表される筈でした。しかし、百恵自身の意向も重なり、結果的に「しなやかに歌って」がリリースされることとなったのです。この決断は、彼女の音楽生活にとっても重要な里程標となりました。

アフタータイムとカバー

2004年にはサーカスが、この曲をカバーしたトリビュートアルバム『山口百恵トリビュート Thank You For…』に収録しています。翌年2005年には、カネボウ化粧品の「ラファイエ」のCMソングとしてオンエアされ、百恵の楽曲が再び世に知られるきっかけとなりました。

収録情報

「しなやかに歌って-80年代に向って-」は、以下のように様々なフォーマットで発売されています。

• - 1979年（昭和54年）9月1日 - EP: 06SH 579（シングル）
• - 1989年（平成元年）3月21日 - 8cmCD: 10EH 3186（「Platinum Single SERIES」片面: 愛染橋）
• - 2004年（平成16年）7月22日 - 8cmCD: MHCL 10048（オリジナル・カラオケ、「春告鳥」初回紙ジャケ仕様盤）

関連作品

「しなやかに歌って-80年代に向って-」に関連する楽曲やアルバムも数多く存在し、彼女の音楽の深さと影響力を物語っています。例えば、春告鳥や「百恵復活」など、各種ベストアルバムやライブ音源も多くリリースされ、今なおファンに親しまれています。

この楽曲は、単なるシングルに留まらず、山口百恵そのものの歴史を感じさせる作品となっています。

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