すがしま型掃海艇

すがしま型掃海艇

すがしま型掃海艇（すがしまがたそうかいてい）は、日本の海上自衛隊が運用する中型掃海艇系列であり、英語ではSugashima-class minesweepersと称されます。この艦級は特に機雷掃討に特化して設計されており、従来の掃海技術とは異なる先進的な技術を取り入れています。最初の艦の建造単価は146億円で、計12隻が建造されました。

来歴

海上自衛隊は、太平洋戦争中から機雷掃海の任務を担っており、その経験が掃海艦艇の設計に反映されています。1980年代には、国内での掃海艦艇開発が進み、世界の主要海軍の中でも高い能力を保有していましたが、1990年代まで大きな変革はありませんでした。しかし、1991年の自衛隊ペルシャ湾派遣においての課題が、新型掃海艇の開発における転機となりました。湾岸戦争中にイラク軍が使用した新型機雷に対し、現行の掃海艇では適切な対応ができないことが判明したため、海上幕僚監部は新たな掃海艇の設計に着手しました。

その結果、1995年にはイギリス海軍のサンダウン級をモデルに、新型掃海艇が設計され、1998年から2008年までの期間にかけて、6隻が建造されました。

船体設計

すがしま型の船体は、63MSC型からの設計変更が最小限に抑えられています。使用される木材は、日本の伝統的な材料であるベイマツやケヤキで、船体の強度と安定性を確保しています。特に、居住性の向上と機雷処分具の格納庫の設置が重視され、船首楼が延長されているのが特徴です。船尾甲板には、機雷処分具を揚降するためのクレーンや掃海用ダビットが設置され、掃海作業の効率化を図っています。

また、2020年からはロービジ塗装への変更が進められ、艦艇の視認性を低減させる試みも行われています。

機関および推進装置

この掃海艇では、従来のディーゼルエンジンによる機械駆動に加え、低速時には電動推進装置が使われるハイブリッド推進方式が採用されています。機雷掃討時には特に音の発生を抑える必要があり、低雑音環境での運用が求められます。主機関は、以前のモデル同様、三菱重工業によって設計された6気筒の4サイクルディーゼルエンジンが搭載されています。

装備

本型の掃海艇には、情報処理装置などの最新技術が導入されており、対機雷戦の効率が向上しています。機雷探知には可変深度式ソナーが使われ、特に長距離探知が可能です。また、機雷処分具にはフランス製のPAP-104 Mk.5が使用され、従来よりも運動性が向上しています。

機雷掃海の能力も持ち合わせており、浮流機雷への対応だけでなく、係維機雷に対しても効果的な掃海作業が可能です。これにより、幅広い掃海任務を遂行できる能力が備わっています。

まとめ

すがしま型掃海艇は、最新のテクノロジーを駆使した機雷掃討専用の艦艇として、国際的な海上戦略における重要な位置を占めています。海上自衛隊の機雷対処能力の向上に寄与し、今後の運用に期待が寄せられています。

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