PAP-104

PAP-104: 遠隔操作無人潜水機（ROV）

PAP-104は、フランスのECA社が開発した機雷掃討専用の遠隔操作無人潜水機（ROV）であり、各国の海軍で広く使用されています。この機体は、フランス海軍の要求に応じて1968年から開発がスタートしました。最初のプロトタイプの後、初期生産型であるMk.2が製造され、その後、輸出型としてMk.3が開発されました。1983年には、マレーシア海軍の要望に応じて最大運用深度が120mから300mに引き上げられたMk.4が登場しました。さらに、1986年にはイギリス海軍の新たな要件に基づいて現行型であるMk.5が開発されました。

PAP-104は、主にソナーによって探知された機雷を安全に処分するために設計されています。このROVには、クルップ・アトラス社製の高周波ソナーであるAIS 11が装備されており、機雷を正確に特定するためのビデオカメラも付属しています。操縦は光ファイバーを介して母艦から行われます。動力源には内蔵電池が使用され、推進は両舷に設置された電動モーターによって行われます。機体には、100kgの爆雷を1個、係維索カッターを2個取り付けることができ、係維機雷や沈底機雷の双方に対応可能な設計となっています。

これまでにPAP-104は、世界中の海軍において400機以上が納入され、1994年までに30,000回以上の作戦を実施したと報告されています。特にイギリス海軍では、Mk.2などの初期型がRCMDS（遠隔操作機雷処分システム）Mk.1として、またMk.5がRCMDS Mk.2として導入されています。

採用国と搭載艇

PAP-104はその機能性から、多くの国の海軍に採用され、多様な艦艇に搭載されています。この機器の使用によって、海洋での機雷対策が大幅に効率化され、多くの命と船舶を守る役割を果たしています。

参考文献

• - 森脇保昌「[機雷]]探知・機雷処分と水中無人機・水上無人機」『防衛技術ジャーナル』第296号、防衛技術協会、2005年11月、11-19頁。
• - Norman Friedman (2006). The Naval Institute guide to world naval weapon systems. Naval Institute Press. ISBN 9781557502629. [リンク

関連項目

• - S-10: 海上自衛隊がPAP-104の後継として採用した水中航走式機雷掃討具。こちらは処分具だけでなく、自航式可変深度ソナーとしての機能も有しています。
• - 機雷戦
• - 掃海艇

PAP-104は海上防衛において極めて重要な役割を担っており、今後の技術革新とともにさらなる進化が期待される機体です。

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