すぎ去りし日の…

すぎ去りし日の…：人生の岐路で立ち止まる男の物語

『すぎ去りし日の…』（原題：Les choses de la vie）は、1969年に撮影され、1970年に公開されたフランス・イタリア・スイスの合作映画です。クロード・ソーテ監督が、ポール・ギマールの小説『人生のできごと』（後に『わかれ路』と改題）を映画化した作品で、ミシェル・ピコリとロミー・シュナイダーが主演を務めています。

あらすじ

主人公のピエール・ベラールは、建築家として成功を収めていますが、人生の岐路に立たされています。妻のカトリーヌとは別居中で、若い恋人のエレーヌとの関係も曖昧なまま。そんなある日、ピエールは交通事故に遭い、意識を失います。事故の瞬間、彼は過去の様々な出来事を走馬灯のように思い出し、人生の意味を問い直します。

キャスト

ピエール・ベラール：ミシェル・ピコリ
エレーヌ：ロミー・シュナイダー
カトリーヌ（ピエールの妻）：レア・マッサリ

スタッフ

監督/脚色：クロード・ソーテ
脚色：ジャン＝ルー・ダバディ
製作：ジャン・ボルヴァリ、レイモン・ダノン、ロラン・ジラール
音楽：フィリップ・サルド
撮影：ジャン・ボフェティ
編集：ジャクリーヌ・ティエド
装置：アンドレ・ピルタン
衣裳：ジャック・コタン

作品の魅力

『すぎ去りし日の…』は、交通事故という衝撃的な出来事をきっかけに、主人公が人生を振り返るというストーリーを通じて、人間の存在や愛、そして喪失といった普遍的なテーマを描いています。

クロード・ソーテ監督は、繊細な演出と映像美で、登場人物たちの心の機微を丁寧に描き出しています。特に、事故の瞬間をスローモーションで捉え、過去の記憶が断片的に蘇るシーンは、観る者の心に深く刻まれます。

ミシェル・ピコリとロミー・シュナイダーの名演も見逃せません。ピコリは、人生に迷いながらもがき苦しむ主人公の姿を、抑制の効いた演技で見事に表現しています。一方、シュナイダーは、奔放でありながらも脆さを抱える恋人役を魅力的に演じています。

受賞歴

ルイ・デリュック賞：クロード・ソーテ

ノミネート

* 第23回カンヌ国際映画祭パルム・ドール：クロード・ソーテ

リメイク

1994年には、アメリカで『わかれ路』（原題：Intersection）としてリメイクされています。リチャード・ギアとシャロン・ストーンが主演を務めました。

まとめ

『すぎ去りし日の…』は、人生の儚さや愛の尊さを改めて感じさせてくれる、感動的な作品です。クロード・ソーテ監督の繊細な演出、ミシェル・ピコリとロミー・シュナイダーの名演、そしてフィリップ・サルドの美しい音楽が、観る者の心を揺さぶります。人生の岐路に立たされた時、この映画はきっとあなたの心に響くはずです。

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