すぎ恵美子

すぎ恵美子：少女漫画界の異才

すぎ恵美子（1959年12月7日 - 2007年2月10日）は、神奈川県横浜市出身の漫画家です。1977年に小学館の『少女コミック』でデビュー以来、少女漫画界において独自の存在感を放ちました。

デビューから活躍まで

高校在学中の1977年、『少女コミック』増刊号に掲載された『12月のミステリー』でデビュー。その後、『ちゃお』、『少女コミック』、『プチフラワー』、『Cheese!』、『プチコミック』など、小学館の様々な少女漫画雑誌で活躍しました。彼女の作品は、主に女子中高生をターゲットとしていましたが、レディコミ風の作品や小学生を主人公にした作品も手掛け、幅広い読者層を獲得しました。

作風の特徴

すぎ恵美子の作風は、女性向けの性的な要素を含むことで知られています。掲載誌によっては、際どい、あるいは直接的な性描写を含む作品も多く、その表現は賛否両論を呼びました。しかし、その過激な表現の中にも、少女たちの繊細な感情や葛藤を描き出し、多くの読者の共感を呼びました。

代表作としては、『ア・リ・サ』、『愛†少女（ガール）』、『お兄ちゃんにはわかるまい!』、『くちびるから魔法（マジック）』などがあります。これらの作品は、いずれも少女たちの恋愛や友情、成長を描いたもので、すぎ恵美子の独特な世界観が表現されています。

晩年と遺作

2005年11月末に胃癌で入院。退院後も闘病を続けながら執筆活動を続けましたが、2007年2月10日に47歳という若さで亡くなりました。漫画家生活30年の節目を迎える年でした。

遺作となったのは、テレビドラマ版『水戸黄門』を原案とした『水戸黄門外伝 DokiDokiアキの忍法帳』。「小学五年生」で連載されました。彼女の死後、単行本には友人漫画家の藤田和子・篠原千絵と編集部のコメントが掲載され、その死を悼みました。

インターネットでの話題

『げっちゅー♥』のあるシーンが、2ちゃんねるをはじめとするインターネット上で話題となりました。その過激な表現は、少女漫画としては異例であり、多くの人々に衝撃を与えました。彼女の死後、2ちゃんねるの少女漫画板のTOP画像が、追悼のメッセージが書かれたものに差し替えられ、その死を悼む声が多く寄せられました。

すぎ恵美子は、少女漫画界において独自の地位を築き、多くの人々に影響を与えた漫画家です。その作品は、今もなお多くのファンに愛され続けています。

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