すべり芸

すべり芸とは

すべり芸（すべりげい）とは、主に一発ギャグやトークが期待通りにウケず、その結果として周囲が微妙な空気になることを特徴とした芸のスタイルです。このような芸人は「すべり芸人」と呼ばれ、特に名前が知られているのが村上ショージです。

すべり芸の特徴

人が笑いを取れずに場の雰囲気が悪くなる状況、いわゆる「すべる」という現象は、通常は興ざめであると受け取られがちですが、実際には静まり返った後に苦笑いが生まれることもあります。また、周囲の人々がその光景の面白さから笑い出すこともあります。このように、すべり芸は意図的に恥ずかしい瞬間や間抜けなシチュエーションを引き起こし、それをおかしみとして楽しむ形をとります。

以前は、すべり芸は芸人としての評価が低い指標とされ、あまり行われることはありませんでした。しかし、2000年代後半からは、さまざまなバラエティ番組で積極的に活動する芸人が増えてきました。例えば、『人志松本の○○な話』や『アメトーーク!』、『踊る!さんま御殿!!』などの番組では、必ず1人以上のすべり芸人が参加しています。また、『あらびき団』は特にすべり芸をテーマにした番組の一つとされています。

バラエティ番組における役割

バラエティ番組では、「ツッコむ方」と「ツッコまれる方」の役割を意識してキャスティングが行われることが多いです。「ツッコむ方」として有名な芸人には、島田紳助やダウンタウン、今田耕司、東野幸治などがいます。そして「ツッコまれる方」の最前線にはすべり芸人が位置します。

例えば、今田や東野といったメインの進行役が受け皿となることで、すべっても自然にツッコミが入るという形が採られています。これは、たとえすべったとしても、それが場を盛り上げる要因となることを意図しているため、持ち歌のように新たな笑いが生まれるのです。このような好循環が生まれることで、すべり芸人の評価が上昇し、次回の出演依頼へとつながることもあります。

すべり芸への見解

一方で、すべり芸に対する見解は分かれています。明石家さんまは「すべり芸なんてない」と発言し、芸人は誰でもウケさせることを目指していると主張していますが、彼はすべり芸の第一人者である村上ショージを見出し、自らの番組でも彼を重用しています。

同じく、岡田圭右はすべり芸の存在を認めつつも、自らは常に面白いと思って発言していると語っています。萩本欽一もすべり芸を認めているが、素人には敵わない態度を示し、その一方で弟子筋の小堺一機はすべり芸と単なるすべりの違いを明確にし、村上ショージの奥深さを称賛しています。

結論

すべり芸は原始的な笑いの形態である一方、現代のバラエティ文化において新たな地位を確立しつつある芸形式です。このスタイルが引き起こす微妙な空気や、恥ずかしさから生まれる笑いは、観客にとって新鮮な体験となることが多いのです。そのため、今後もすべり芸人たちの活躍は続くことでしょう。

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