すみれの空

ゲーム概要

『すみれの空』（すみれのそら、英題：Sumire）は、2021年5月27日に株式会社GameTomoから発売されたアドベンチャーゲームです。このゲームの物語は、少女スミレが亡き祖母に再会したいという願いを抱きながら、花の精霊である「お花さん」と共に山村を巡り、幼馴染たちとの交流を通じて不思議な現象を体験する一日を描いています。小さな冒険を通じて、スミレの成長と発見が描かれる作品です。

ゲームシステム

スミレは物語の中で自らの「とびっきりの一日」を実現すべく、様々な目標をノートに記します。これらの目標の達成がスモレの冒険の基本的な目的となりますが、達成するかどうかはプレイヤーの決定に委ねられています。また、登場するキャラクターたちからの依頼を受ける「たのまれごと」もあり、これをクリアすることでコインを得ることが可能です。

ゲーム内では、キャラクターとの特定の会話やスミレが選択肢を選ぶ際に、その選び方がスミレの善悪判断に影響を与え、カルマの値が変動します。このカルマは物語やエンディングにも影響を及ぼす重要な要素であり、具体的な数値は確認できないものの、カルマが低下するとお花さんの色が変わったり、森にいる「カルマトカゲ」という存在がスミレの状態を教えてくれます。

さらに、ゲームには複数のミニゲームが組み込まれており、その中にはカードゲームも含まれています。2021年9月にはゲームクリア後に楽しむことができる「ボーのカードゲーム」という新たなモードも追加され、プレイヤーはスミレの物語をより深く楽しむことができる工夫がされています。

主な登場人物

• - スミレ：主人公の少女で、周囲から「スミ」とも呼ばれています。両親の不仲で家庭が複雑な様子を持っており、家事をこなすことで母を支えています。祖母の夢を見続けながら、再会の願いを胸に一日を過ごします。

• - お花さん：スミレの祖母が愛した藤の木を介して異世界から来た花の精霊で、スミレに「とびっきりの一日」を体験させるために同行します。しかしその存在は日没までの限られたもので、ストーリーの展開に伴ってお花さんの姿も変化していきます。

• - チエ：過去にスミレの親友だったが、他の少女たちとの関わりを持つうちに疎遠になり、現在では彼女をいじめる立場に。絵を得意とし、ゲームクリア後のカードゲームでは特別なカードを持っています。

• - トモ、ユーコ：スミレをいじめる他の少女たちで、さまざまな形でスミレとの関わりを持つものの、影響を与える存在です。

• - ケンジ：スミレが恋心を抱く少年で、彼の存在がスミレの物語の中で重要な位置を占めます。

• - ボー：少女たちにいじめられる少年であり、ケンジとは良い友人関係にあります。

開発背景

GameTomoは過去に『Cuphead』といった他社製品のローカライズや、『Project Nimbus』のプロデュースを手掛けた経験がありますが、『すみれの空』は同社として初の自社開発ソフトです。ディレクターのMichael Elyは、誰もが抱く「一日一日を精いっぱい生きる」というテーマを基に、時の流れと後悔を描こうとしています。

そのため、ゲーム全体のグラフィックはサイドビューで描かれ、物語の進行はスミレの自宅から左へ進む形式で、時計の針の回り方と時間経過を象徴しています。これにより、スミレが過去への葛藤を背負いながらも前に進む姿が表現されているのです。

受賞歴と評価

本作はDDNet Game of the Year Awards 2021にて、「Small game of the year - Gold」と「Arthouse Game of the Year - Silver」の二つの賞を受賞しており、そのクオリティの高さが評価されています。外部リンクとして、公式サイトが用意されており、興味を持ったユーザーがさらに詳しい情報を得ることができます。

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