ずっと2人で…/GONE WITH THE WIND

GLAYのシングル『ずっと2人で…／GONE WITH THE WIND』

GLAYの5枚目のシングルである『ずっと2人で…／GONE WITH THE WIND』は、バンドの魅力を余すところなく表現した特別な作品です。このシングルは、特に『ずっと2人で…』がA面として広く認知されていますが、実は両A面シングルとしてのリリースでした。ジャケットや背表紙には両A面としての表記が存在し、ファンにとっても思い入れの深い一枚となっています。

この作品に収められている楽曲の中で、まず注目されるのは『ずっと2人で…』です。この曲は、GLAYの1stアルバム『SPEED POP』からのリカットで、結婚を控えたTERUの姉のためにTAKUROが書いたバラードです。シングルとしては初めてのバラードであり、その感情豊かなメロディと歌詞には多くのファンが心を惹かれました。実は1990年11月に行われた浦和でのライブでは、TAKUROは「東京の空気にも慣れてきて、歌詞をすっかり忘れていた」と述べています。この楽曲は何度も歌詞を書き直す過程を経てリリースに至りました。特に2015年に函館アリーナで行われた特別ライブでは、初期の歌詞が使用され、ファンにとっては新たな発見となった瞬間でした。シングルバージョンでは曲の最後まで演奏されている点も、アルバムバージョンとは異なる特徴です。

次に、もう一つの収録曲である『GONE WITH THE WIND』について考えてみましょう。この曲は、GLAYがまだインディーズで活動していた頃から存在し、1993年にはライブで演奏されたという経歴があります。インディーズ時代のアレンジが異なるバージョンもあり、オムニバスCD「an Optic」にも収録されました。さらに、NHK-BS2のアニメ『バイカーマイス』ではオープニングテーマに使用され、当時のバンドの成長を感じる一曲となっています。現在のディスコグラフィーにおいては、A面としての扱いが少なく、しばしばカップリング曲としてみなされていますが、ファンにとっては特別な存在なのです。

最後に、サウンド的には異なる印象を持つ『ACID HEAD』があります。この曲は、特にライブパフォーマンスのクライマックスで演奏されることが多く、観客の盛り上がりを引き立てる重要な役割を果たしています。歌の冒頭と終わりにはライブの雰囲気を想起させる効果音が施されており、スタジオでの録音ながらも臨場感が感じられます。楽曲の最後では『Modern…』の一節が挿入されているのも特徴的で、GLAYらしい遊び心が詰まっています。

『ずっと2人で…／GONE WITH THE WIND』は、GLAYの音楽的成長とバンドとしての歴史を凝縮した魅力的なシングルであり、リスナーに強く印象を残す作品となっています。多くのアルバムに収録されていることからも、ファンから愛され続ける理由が伺えます。このシングルは、彼らの音楽に対する情熱を感じさせる一枚であり、今でも新たなファンを惹きつける力を持っています。

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