せせらぎ (アルバム)

アルバム『せせらぎ』の魅力

フォークデュオ「グレープ」の1975年5月25日のリリース作『せせらぎ』は、彼らの2枚目のオリジナルアルバムです。このアルバムは、前作『わすれもの』と一緒にカセットテープ企画「2 for 1」でリリースされたこともあり、A面には『わすれもの』、B面には『せせらぎ』が収められました。このような形でリリースされることで、リスナーは両方のアルバムを同時に楽しむことができました。

収録曲の紹介

SIDE 1

1. ほおずき
3月にシングルとして先行リリースされたこの曲は、彼らの自信作でした。しかし、期待されたほどのヒットには至りませんでした。
編曲：グレープ

2. 殺風景
これは、別れを選んだ女性の複雑な心情を描いた楽曲です。歌詞には、アルバム『随想録』に収録されている「敗戦投手」の一部が引用されています。さだまさしは、後年でもこの曲をコンサートで頻繁に演奏し、自らの若かりし頃の歌詞を振り返って自嘲することがあります。
編曲：服部克久

3. ゆだねられた悲しみ
作詞・作曲は吉田正美による作品で、編曲は瀬尾一三が手掛けています。

4. 女郎花
デビューアルバム『わすれもの』の「紫陽花の詩」に続く和風フォークソングです。編曲はグレープが担当しています。

5. 残像
アマチュア時代から支持されてきた人気曲で、「ほおずき」のB面に収録されています。編曲は青木望が担当。

6. 交響楽（シンフォニー）
歌詞には「ワグナーの交響楽」という言葉が現れますが、実際にはワーグナーの交響曲とは異なる内容です。さだまさしは「交響楽」を多様な音楽形態の総称と捉え、このタイトルを採用しました。
編曲：服部克久

SIDE 2

7. ラウドネス
インストゥルメンタルのこの楽曲は、吉田正美によって作曲されました。

8. 絆
編曲は瀬尾一三。

9. 風邪
アレンジはアントニオ・ヴィヴァルディの『和声と創意への試み』の「冬」の第2楽章に基づいており、コーラスにはクラフトのメンバーが参加しています。
編曲：さだまさし

10. 恋人擬
カントリー調のこの楽曲は、フィドル風のヴァイオリンが特徴です。編曲はあかのたちお。

11. 掌
後に森山良子がカバーし、さらに2008年には彼女の息子・森山直太朗もカバーしています。
編曲：さだまさし

12. 追伸
1974年10月にシングルとしてリリースされた作品。B面は『わすれもの』からのシングルカットです。
編曲：グレープ

参加アーティスト

このアルバムには、多くの才能あるミュージシャンが参加しています。その中には、ギターを担当した水谷公生や矢島賢、ベースの岡沢章、ドラムの田中清、鈴木二郎、キーボードの羽田健太郎と市川秀男、そしてボーカルにクラフトのコーラスが含まれています。

再発盤について

『せせらぎ』は、再発盤で曲の順番が変更されたり、デジタルリマスタリングが施されたりしています。特に、1985年にリリースされたCDはオリジナルの曲順を保持し、1991年の再発では当初の順番に戻されました。

また、2005年の再リリース版では、歌詞カードにさだまさしによる曲解説が付け加えられ、ファンにとって一層魅力的な内容となりました。

このようにアルバム『せせらぎ』は、グレープの音楽性を深く理解するための貴重なアイテムであり、多くのリスナーに愛され続けています。

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