そして今、ベラルーシへの攻撃がどこから準備されていたのかをお見せします

ミームの起源と拡散

「そして今、ベラルーシへの攻撃がどこから準備されていたのかをお見せします」（ロシア語: А я сейчас вам покажу, откуда на Беларусь готовилось нападение）というフレーズは、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との会談中に、ロシアによるウクライナ侵攻を正当化しようとした際に発したものです。この発言は、旧ソビエト連邦構成国を中心に大きな反響を呼び、2022年3月中旬からインターネット・ミームとして爆発的に拡散しました。

ミームの内容と特徴

ミーム動画では、ルカシェンコ大統領の元の映像を切り抜き、その音声とともに、さまざまな映画のシーンやコミカルな場面に合成されています。このミームは、2022年3月11日に行われたロシア・ベラルーシ首脳会談の映像が元になっており、ルカシェンコ大統領は、もし「特別軍事作戦」が開始されていなければ、ウクライナが先にベラルーシを攻撃していたであろうと主張しました。

BBCは、「ロシアのウクライナ侵略を正当化しようとする彼の熱意は、一連の奇抜なインターネット・ミームによって皮肉にも報われた」と報道しています。ミーム動画では、ルカシェンコ大統領が駅に移動したり、ゴミ箱の近くに座らされたり、最終的には高齢の女性たちが集まる庭に現れたりと、さまざまな場面で彼の姿が見られます。その他にも、バレエ『白鳥の湖』のバレリーナ、映画『シャイニング』や『イワン・ヴァシリーエヴィッチ、転職する』の主人公、乗り物に乗る少女、ポルノ女優、番組『Live health!』のイェレナ・マリシェバ、トークショー『Let's Get Married』の司会者であるラリサ・グジーバ、Mr.ビーン、エイリアンの集団、ニワトリ、駅のホームレスの人々、アカデミー賞の視聴者など、多種多様なキャラクターや状況でこのフレーズが使用されています。また、故ウラジーミル・ジリノフスキーの棺からプーチン大統領に向かって話し続ける動画も存在します。

メディアにおける使用例

このフレーズは、ルカシェンコ大統領が特定の状況に置かれたことを報じるメディアでも使用されるようになりました。例えば、ホッケーの試合に参加したルカシェンコ大統領が顔面に打撃を受けたというニュース記事の見出しには、「そして今、あごへの打撃がどこから来たのかをお見せします……」というフレーズが使用されました。

ミームに対する反応と政治的利用

2024年4月24日、ルカシェンコ大統領は、ポーランド、リトアニア、ラトビアの人々がベラルーシ国境付近にいて、ソバの実と塩を買うために国境を越えようとしていると述べました。これに対し、ラトビアのエドガルス・リンケービッチ外務大臣は、「そして今、ベラルーシへ彼らがソバの実と塩を求めてどこから来たのかをお見せします」とツイートし、このミームを皮肉を込めて利用しました。

ミームに対する規制

2024年4月27日、このミームをTikTokに投稿したベラルーシの学生数名が拘束されました。これは、ミームが単なるエンターテイメントとしてだけでなく、政治的なメッセージを持つものとして認識されていることを示しています。

このミームは、ルカシェンコ大統領の発言が持つ政治的な意味合いを、風刺とユーモアによって相対化する効果をもたらし、インターネット文化におけるミームの力と影響力を示す好例と言えるでしょう。

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