それいけ!アンパンマン 恐竜ノッシーの大冒険

それいけ！アンパンマン 恐竜ノッシーの大冒険：詳細解説

1993年7月17日に公開された『それいけ！アンパンマン 恐竜ノッシーの大冒険』は、人気アニメシリーズ『それいけ！アンパンマン』の劇場版第5作目です。同時上映作品として『かいけつゾロリ まほう使いのでし・大かいぞくの宝さがし』が公開されました。全日本私立幼稚園連合会、社会福祉法人日本保育協会の推薦作品にも選ばれ、「救え！恐竜の国、ぼくらの地球。」というキャッチコピーが印象的でした。

アンパンマン生誕20周年記念作品としての意義

本作は、アンパンマン生誕20周年を記念して制作された作品です。アンパンマンと仲間たちが、恐竜の国の住人であるノッシーと出会い、友情を育みながら光の玉を求めて冒険を繰り広げる物語が描かれています。シリーズにおける大きな出来事として、メロンパンナが初めて劇場版に登場したことも特筆すべき点でしょう。また、前作には登場しなかったホラーマンが本作で再登場し、以降のシリーズ作品へのレギュラー出演へと繋がります。

音楽とスタッフ

音楽は、アンパンマンシリーズで数々のキャラクターソングの編曲を担当した近藤浩章が、故いずみたく氏との連名で担当しました。いずみたく氏が、生前に手がけた楽曲も一部使用されています。近藤浩章氏は、この時点ではテレビシリーズの音楽担当ではありませんでしたが、本作の劇伴音楽は、後にテレビシリーズでも多く使用されるようになりました。

脚本は前作『それいけ！アンパンマン つみき城のひみつ』を担当した岸間信明氏が担当しています。監督は永丘昭典氏、キャラクターデザイン・作画監督は前田実氏、音楽監督は鈴木清司氏など、豪華スタッフ陣によって制作されました。

ストーリー概要

SLマンの牽引する列車でピクニックへ向かうアンパンマンたちでしたが、ばいきんまんとドキンちゃんの妨害にあいます。その騒動で異次元への入り口が開き、アンパンマンたちは恐竜の国へと迷い込んでしまいます。そこで出会ったのが、怪我をした小さな恐竜のノッシーです。

恐竜の国では、「命の木」が枯れかけており、国全体が滅亡の危機に瀕していました。命の木を救うために必要な「光の玉」を探す旅に出たアンパンマンたちは、ばいきんまんたちとの戦いを繰り広げ、翼竜の町や海の中を冒険します。しかし、見つけた光の玉はいわおとこの体に入り込み、いわおとこの姿は石の怪獣ゴロンゴラへと変貌を遂げます。

アンパンマンたちは、ゴロンゴラの圧倒的な力に苦戦しますが、ノッシーの涙と命の木の力によって、最終的にゴロンゴラを倒し、恐竜の国を救います。

キャラクターとキャスト

本作には、アンパンマンシリーズのレギュラーキャラクターに加え、個性豊かなゲストキャラクターが登場します。ノッシーの声優にはTARAKOさん、ゴロンゴラの声優には屋良有作さんなど、豪華声優陣が脇を固めます。

特に、メロンパンナは本作で劇場版初登場を果たし、多くの活躍シーンが描かれています。また、TVシリーズのサブキャラクターたちも多数ピクニック参加者として登場し、物語に彩りを添えています。

作品の特徴

本作では、アンパンマンたちが敵の攻撃によって石化の危機に瀕する展開が描かれています。これは、後の劇場版作品でも定番となる演出です。仲間が次々とピンチに陥る中、残されたキャラクターたちが困難を乗り越えていくという展開は、本作から始まったと言えるでしょう。また、本作は第2作から第27作までの劇場版において、唯一『アンパンマン』以外の作品と同時上映された作品です。

エンディングでは、アンパンマン生誕20周年を記念して、多くのレギュラーキャラクターたちが総出演し、盛大な祝祭ムードで締めくくられています。1993年は日米で恐竜ブームが起こっていた時期であり、本作もそのブームに乗った作品と言えるでしょう。

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