それでも恋するバルセロナ

映画「それでも恋するバルセロナ」

「それでも恋するバルセロナ」（原題：Vicky Cristina Barcelona）は、2008年に公開されたアメリカとスペインの協作映画です。ウディ・アレンが監督と脚本を務め、第61回カンヌ国際映画祭への特別招待作品として上映されたほか、第66回ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門で作品賞を受賞しました。また、ペネロペ・クルスは本作で第81回アカデミー賞の助演女優賞を受賞しています。

物語の概要

本作は、アメリカ人の親友であるヴィッキーとクリスティーナの物語を中心に展開します。彼女たちは、それぞれ異なる恋愛観を持ちながらも、共通の目的を抱えてスペインのバルセロナを訪れます。ヴィッキーはカタルーニャに関する論文を書くため、クリスティーナは短編映画を制作した後の気分転換を求めています。

二人はヴィッキーの親戚の家に滞在し、その後、ある画廊で開かれたパーティで画家フアン・アントニオと運命的な出会いを果たします。フアン・アントニオは大胆にも、彼女たちを週末にオビエドへ連れて行きたいと申し出て、さらに、一緒に寝てもいいという刺激的な提案をします。これに対してヴィッキーは怒りを感じますが、クリスティーナはその魅力に惹かれ、結局二人はフアン・アントニオと共にオビエドに出かけることになります。

オビエドに着くと、クリスティーナは体調を崩してしまい、彼女原因でヴィッキーとフアン・アントニオは二人きりの時間を過ごすことになります。最初はフアン・アントニオに対して警戒心を抱いていたヴィッキーも、次第に彼に魅了され、婚約者がいるにも関わらず、一夜を共にしてしまいます。

その後、バルセロナに戻ったクリスティーナは、フアン・アントニオと新たに同棲を始めますが、彼女たちの関係を知らないクリスティーナの元にフアン・アントニオの元妻マリア・エレーナが現れ、物語はさらに複雑な展開を見せます。

製作背景と反響

本作の製作費の10%は、撮影が行われたカタルーニャ地方の税金から支出されたものですが、映画が英語で制作されたことで、地元住民から大きな反発を受けました。スカーレット・ヨハンソンはウディ・アレン作品には3度目の出演となり、過去の「マッチポイント」や「タロットカード殺人事件」に続く役柄を演じています。

「それでも恋するバルセロナ」は、友情や恋愛に対する異なる視点を持つキャラクターたちが織り成す人間関係を描いた作品であり、観客に人間の感情の複雑さを問いかける映画として高く評価されています。ウディ・アレンの独特なセンスが光る一作であり、彼のファンだけでなく、多くの映画愛好家にとっても印象深い作品となっています。

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