オビエド

オビエド：アストゥリアス州の州都

オビエド（Oviedo）は、スペインのアストゥリアス州に位置する基礎自治体で、州の州都として知られています。アストゥリアス州の三大都市の一つであり、歴史と文化が豊かで、教育機関も充実しています。これから、オビエドの地理、気候、歴史、経済、文化、観光などを詳しく見ていきます。

地理

オビエドは、北東のビスケー湾に面したヒホン（約24km）、北北西のアビレス（約23km）とともにアストゥリアス州の三大都市を形成しています。市の中心から5kmの地点にはナロン川の支流であるノラ川が流れており、周囲には美しい自然が広がります。また、オビエドの標高はおおよそ80mから100mで、心地よい高地です。

気候

オビエドはカンタブリア山脈の北麓に位置しており、温暖な海洋性気候が特徴です。降水量が多く、比較的穏やかな気候を保っています。特に8月の平均最高気温は摂氏23.3度と高く、夏の間は快適な気温を楽しむことができます。

歴史

オビエドの歴史は711年、イスラム教徒による征服から始まりますが、722年にはアストゥリアス王国のペラーヨ王が地域を奪還しました。以降、オビエドは王国の中心地として栄え、アルフォンソ2世の時代には重要な修道院が建設され、宗教的な拠点としての地位を確立しました。その後、914年に都がレオンに移るまでの間、オビエドはキリスト教文化の発信地でした。

近代にはナポレオンの侵入によって一時的に荒廃しましたが、その後は近隣の地下資源に支えられて工業化が進み、20世紀には労働運動が活発化しました。特に1934年のアストゥリアス革命やスペイン内戦では、オビエドは激しい攻防の舞台となり、多くの歴史的影響を受けました。

経済

19世紀からアストゥリアス地方で発展した鉱工業は、近年では少しずつ製造業からサービス業へとシフトしています。工業の中心として発展した地域ながら、不安定な経済はサービス業に依存する構造となっています。

教育

オビエドには1608年に設立されたオビエド大学があり、大学はオビエド、ヒホン、ミエーレスの3つの都市にキャンパスを持っています。市内には複数のキャンパスが散在しており、広範な学問分野がカバーされています。

交通

交通の面では1874年に開業したオビエド駅が重要な役割を果たしています。この駅からはヒホンやサンタンデールへ向かう鉄道路線が運行されており、アストゥリアス空港とも近接しています。

文化と観光

オビエドは独自の文化を育んできましたが、アストゥリアス革命や内戦によって歴史的建造物は少なくなっています。それでも、旧市街にはアストゥリアス考古学博物館や美術館が存在し、アストゥリアスの歴史や芸術に触れることができます。特にオビエド大聖堂は歴史的価値が高く、多くの観光客が訪れる名所となっています。

世界遺産

オビエドには、9世紀に建設された3つの教会があり、1985年に「アストゥリアス王国の教会」としてユネスコの世界遺産に登録されました。これにはサン・ミゲル・デ・リーリョ教会やサンタ・マリーア・デル・ナランコ教会が含まれています。

スポーツと出身者

オビエドは自転車ロードレースのブエルタ・ア・アストゥリアスの一部として知られており、地元出身のF1ドライバー、フェルナンド・アロンソの故郷でもあります。さらに、文学、音楽、スポーツなど多くの著名人を輩出しています。

結論

オビエドはその歴史、文化、教育の充実度から見ると、アストゥリアス州の重要な都市であり、訪れる価値のある場所です。近代的な生活と古代の名残が調和するこの街で、多くの魅力を感じてみてください。

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