たかが世界の終わり

たかが世界の終わり (Juste la fin du monde)

グザヴィエ・ドラン監督・脚本・編集による2016年のカナダ・フランス合作映画。『たかが世界の終わり』は、ジャン＝リュック・ラガルスの戯曲『まさに世界の終り』を原作とし、家族の再会を通して人間の感情や葛藤を深く掘り下げた作品です。豪華キャストが集結し、見る者の心を揺さぶるドラマが展開されます。

あらすじ

34歳のゲイである劇作家ルイは、自らの死期が近いことを悟り、12年ぶりに故郷へ帰ることを決意します。しかし、家族との再会は、ルイが予期していた以上に複雑なものでした。妹のシュザンヌはルイの記憶がほとんどなく、兄のアントワーヌはルイに対して複雑な感情を抱いています。アントワーヌの妻カトリーヌは、ルイに親近感を抱きながらも、どこかぎこちない態度をとってしまいます。

久しぶりに顔を合わせた家族は、それぞれの想いを抱え、ぎこちない会話を交わします。ルイは、家族に自身の病状を打ち明けようと決意しますが、なかなか言い出せずにいます。そんな中、アントワーヌとの間に緊張感が漂い始め、家族の間に隠されていた感情が露わになっていきます。

ルイは、過去の思い出の場所を訪れたり、カトリーヌと心を通わせたりする中で、家族との絆を再確認しようとします。しかし、アントワーヌはルイを拒絶し、家族の関係はますます悪化していきます。ついにルイは、家族に病状を告げることなく、故郷を去ることを決意します。

キャスト

ルイ：ギャスパー・ウリエル
マルティーヌ（母）：ナタリー・バイ
アントワーヌ（兄）：ヴァンサン・カッセル
カトリーヌ（アントワーヌの妻）：マリオン・コティヤール
シュザンヌ（妹）：レア・セドゥ

製作

ドラン監督は、2015年4月に本作の製作を発表しました。主要撮影は2015年5月26日にモントリオールで開始されました。豪華キャストに加え、ドラン監督の才能が融合し、期待が高まりました。

公開と評価

本作は、2016年5月のカンヌ国際映画祭でワールドプレミア上映されました。当初、批評家からの反応は賛否両論ありましたが、最終的にはグランプリとエキュメニカル審査員賞を受賞しました。

フランスでは公開初週に1位を獲得するなど、興行的にも成功を収めました。しかし、Rotten Tomatoesでは支持率43%と評価が分かれています。

受賞とノミネート

第69回カンヌ国際映画祭 グランプリ、エキュメニカル審査員賞
第89回アカデミー賞外国語映画賞 カナダ代表作品（最終選考9作品に選出）
カナダ・スクリーン・アワード 9部門ノミネート
セザール賞 6部門ノミネート

関連情報

映画『たかが世界の終わり』公式サイト - GAGA: https://gaga.ne.jp/sekai/
たかが世界の終わり (@xdolan_sekai) - X（旧Twitter）
たかが世界の終わり (dolansekainoowari) - Facebook
たかが世界の終わり - allcinema
Juste la fin du monde - IMDb（英語）

『たかが世界の終わり』は、家族という普遍的なテーマを通して、人間の感情の複雑さや脆さを描き出した作品です。ドラン監督の映像美と、豪華キャストの演技が、見る者の心を深く揺さぶります。ぜひ、この機会にご覧ください。

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