たかなみ (護衛艦・初代)

護衛艦「たかなみ」の概要

「たかなみ」（ローマ字：JDS Takanami, DD-110→ASU-7009）は、海上自衛隊に所属する護衛艦で、あやなみ型護衛艦の5番目の艦船です。この艦名は「高波」に由来し、過去には夕雲型駆逐艦「高波」という艦名があり、これを受け継いでいます。

艦歴

「たかなみ」は、昭和32年度に計画された1,700トン型警備艦の1610号艦として、1958年11月8日に三井造船玉野造船所で起工されました。1959年8月8日に進水し、1960年1月30日には海上自衛隊に正式に就役しました。就役後は呉地方隊に直轄艦として編入され、同年8月31日には「おおなみ」と共に新編された第11護衛隊に配属されました。

その後、1961年2月1日に第11護衛隊が自衛艦隊の隷下に再編され、第2護衛隊群の一部となります。1968年2月には後甲板から爆雷投射機2基と爆雷投下軌条2条が撤去され、代わりに可変深度式ソナー（VDS）OQA-1Aが装備されました。

1971年2月1日には、第11護衛隊が護衛艦隊の新編に伴い第4護衛隊群に編成替えられ、その後1973年12月16日には再び編成替えが行われ、定係港は佐世保に転籍しました。1977年12月1日には佐世保地方隊の隷下に配置されました。

救助活動

1978年の1月21日、たかなみは「まきなみ」「おおなみ」と連携し、長崎県の男女群島沖で遭難したシンガポールの貨物船「ワティ」の救助活動に参加しました。この活動は艦艇が直面する厳しい条件の中で行われ、医療や食料支援などの重要な任務を果たしました。

特務艦への変更

1985年3月27日、「たかなみ」は特務艦としての新たな役割に変更され、艦籍番号もASU-7009に改められました。この変更に伴い、佐世保地方隊に直轄艦として編入され、別の任務に従事しました。

除籍

しかし、1990年の3月24日、長らくの活動の後に除籍されることとなりました。「たかなみ」は、海上自衛隊における重要な役割を果たし、多くの任務を遂行してきた艦艇として、多くの海自ファンにも親しまれてきました。

参考文献

この艦に関する詳細な情報は、石橋孝夫著『海上自衛隊全艦船 1952-2002』（並木書房、2002年）や、海人社が編纂した各種資料に記載されています。特に、1978年に発行された『世界の艦船』第254号には、貨物船「ワティ」の乗員を救う様子が報告されています。また、海上自衛隊の艦艇史に関する書籍を通じて、たかなみの多面的な役割について知識を深めることができます。

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