たたら侍

『たたら侍』：戦国時代のたたら吹きと、若き鍛冶師の運命

2017年5月20日に公開された映画『たたら侍』は、EXILE HIROがエグゼクティブプロデューサーを務めたオリジナル作品です。近年の映画界においては珍しい、全編35mmフィルムで撮影されている点も大きな特徴となっています。

物語の舞台：戦国時代のたたら場

舞台は戦国時代。乱世の渦中において、高度な製鉄技術である「たたら吹き」で作られた玉鋼は、武器製造に欠かせない貴重な素材でした。特に、槍や日本刀といった刃物を作るには最適であり、それによって作られた武器は、実用性だけでなく、武運をもたらすものとして、大名や武将達に珍重されていました。

主人公は、代々「たたら吹き」の技術を受け継いできた伍介。彼の住む村は、織田軍から鉄を求められ、侵略の危機に瀕します。愛する許嫁のお國を残し、侍を目指して修行の旅に出た伍介は、村を守るため、そして自身の信念を貫くため、過酷な運命に立ち向かいます。

キャスト：豪華俳優陣が織りなす人間ドラマ

映画には、青柳翔、小林直己、田畑智子、宮崎美子、豊原功補、笹野高史、石井杏奈、甲本雅裕、AKIRA、奈良岡朋子、津川雅彦、山本圭、高橋長英、品川徹、早乙女太一、でんでん、氏家恵、橋爪遼、安部康二郎、菅田俊、音尾琢真、中村嘉葎雄、佐野史郎など、実力派俳優たちが多数出演しています。それぞれのキャラクターが、時代背景や物語に深みを与え、観る者の心を揺さぶる演技を見せています。

スタッフ：映画を支えるクリエイター達

監督・原作・脚本は錦織良成が担当。撮影は佐光朗、照明は吉角荘介、録音は西岡正己、美術監督は池谷仙克、編集は日下部元孝、音楽は長岡成貢と、それぞれの分野の第一人者たちが集結。EXILE ATSUSHIが歌う主題歌「天音」（作曲・編曲：久石譲）も作品の世界観に彩りを添えています。

数々の映画祭での受賞：高い評価を獲得

『たたら侍』は、公開前から高い評価を得ており、第40回モントリオール世界[[映画祭]]ワールドコンペティション部門最優秀芸術賞をはじめ、数々の国際映画祭で受賞を果たしました。これらの受賞は、作品クオリティの高さと、その普遍的なテーマが世界中の人々の共感を呼んだ証と言えるでしょう。受賞歴の一部を以下に示します。

第40回モントリオール世界[[映画祭]] ワールドコンペティション部門 最優秀芸術賞
ディレクターズ・フォートナイト・コルカタ 映画祭 国際長編映画部門 金の女神賞（グランプリ）
第12回シネマ・オン・ザ・バイユー映画祭 長編部門 グランプリ
第1回チャトラパティ・シヴァージー国際映画祭 最優秀貢献賞
オークランド国際映画祭 最優秀監督賞、最優秀撮影賞
第2回 UK Screen One International Film 最優秀国際長編映画賞
第3回 phoenix Film Festival Melbourne 2017 最優秀長編映画賞
Canadian Diversity 映画祭 最優秀賞
第3回ウルフインデペンデント国際映画祭 最優秀長編映画賞
第1回Ramsgate International Film ＆ TV Festival 最優秀長編映画賞、最優秀監督賞
第50回ワールドフェスト・ヒューストン国際映画祭 金賞
第3回 Gulf of Naples Independent Film Festival 最優秀長編映画賞

作品公開後の出来事：出演者の逮捕と再上映

映画公開直後、出演者の橋爪遼が覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されるという事態が発生しました。これを受け、「たたら侍」製作委員会は、上映中止を決定。その後、橋爪遼の出演シーンを削除するなどの再編集を行い、再上映にこぎつけました。しかし、上映館数は大幅に減少しました。

たたら映画村：映画の世界観を体験できるテーマパーク

映画のオープンセットを利用した「たたら映画村」が島根県にオープンしました。映画の世界観を体感できる施設として、多くの観光客を集めました。

まとめ

『たたら侍』は、戦国時代を舞台にした歴史ドラマでありながら、普遍的なテーマと高い映像美、そして豪華なキャストとスタッフ陣によって生み出された、記憶に残る作品です。様々な困難を乗り越え、世界にその名を知らしめた本作は、日本の映画史に新たな一ページを刻みました。

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