たでのはな美術館

たでのはな美術館：赤穂の地に咲く版画の花

たでのはな美術館は、兵庫県赤穂市に位置する版画専門の私設美術館です。2005年、赤穂市の花岳寺通り商店街で、日本板画院同人である館主が収集した棟方志功、平塚運一、斎藤清、川上澄生、橋本興家といった巨匠たちの版画作品約200点を展示する場としてスタートしました。

当初は、商店街の空き店舗を改装して開館されました。年間5回の企画展を開催し、特に11月と12月には忠臣蔵をテーマにした浮世絵作品を展示するなど、地域に密着した活動も展開していました。しかし、3年間の補助金期間終了と来館者数の減少により、2008年には閉館を余儀なくされました。

閉館後も、地域住民や版画愛好家から再開を望む声が多数寄せられました。その熱意に応える形で、2012年、赤穂御崎への道沿いの尾崎地区に新たな美術館が誕生しました。3階建ての建物は、1階を展示室、2階を休憩室、3階を版画制作工房として活用しています。

再開後のたでのはな美術館は、1200点以上に膨らんだ近代日本の版画コレクションを、年4回程度の企画展を通して公開しています。館主の情熱と地域からの期待が結実した、質の高い版画作品を鑑賞できる貴重な空間となっています。

美術館の名称である「たでのはな」は、赤穂の地名に由来しています。赤穂は古くから「蓼（たで）」の産地として知られており、この土地の歴史と文化を反映した、詩情豊かな名称と言えるでしょう。

アクセスは、JR赤穂線「播州赤穂駅」からバスで「明神木」バス停まで行き、そこから徒歩すぐです。山陽自動車道「赤穂IC」からも約15分と、比較的アクセスしやすい立地にあります。

たでのはな美術館は、単なる美術館にとどまらず、地域文化の活性化にも貢献していると言えるでしょう。版画という芸術を通して、赤穂の豊かな歴史と自然、そして人々の温かさを伝えています。訪れた際には、貴重な版画作品を鑑賞するだけでなく、赤穂の街並みや歴史にも触れてみることをお勧めします。

関連情報

美術館の一覧
版画美術館
町田市立国際版画美術館
小野忠重版画館
福島県立[[美術館]]
棟方志功記念館
佐渡版画村美術館
アルベルティーナ

公式サイト

たでのはな美術館
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