たんせい2号

たんせい2号（MS-T2）

たんせい2号は、東京大学宇宙航空研究所が手がけた技術試験用人工衛星です。開発は日本電気が担当し、宇宙航空研究所が進める宇宙開発の一環として設計されました。この人工衛星は、全段固体ロケットであるM-3Cロケットの打ち上げ性能の試験や、磁気トルカを利用した姿勢制御システムの実験を目的としていました。

目的

たんせい2号の主な目的は、M-3Cロケットの性能を実証することと、新たに開発された姿勢制御技術の試験です。従来、宇宙航空研究所が開発してきた衛星は、スピン安定方式によって姿勢を保持していましたが、これに加えて磁気トルカ方式を取り入れることで、より高精度な観測が可能になると期待されていました。この新しい技術は、後の科学衛星「たいよう」にも採用されることになります。

運用

たんせい2号は、1974年2月16日の14:00（JST）に鹿児島宇宙空間観測所からM-3Cロケット1号機によって打ち上げられました。打ち上げに成功した後、人工衛星は近地点で288km、遠地点で3,238km、軌道傾斜角31.2°の軌道に投入されました。

この人工衛星は、約2週間にわたって軌道上でさまざまな実験を行いましたが、最終的には電源を供給する酸化銀電池が寿命を迎えたため、運用を終了しました。1983年1月22日には大気圏に突入し、消滅しました。

関連項目

たんせい2号は、同シリーズの一環として位置づけられます。その後のたんせい3号やたんせい4号といった衛星も開発され、宇宙の研究には欠かせない存在となりました。また、たんせいシリーズは、宇宙開発の初期における重要なステップでもありました。

外部リンク

• - たんせい - ウェイバックマシン（2012年1月17日アーカイブ分）（JAXA宇宙情報センター）
• - たんせい2号 (MS-T2)（ISAS）

このように、たんせい2号は日本の宇宙研究において重要な役割を果たした衛星であり、その技術的な挑戦は後の宇宙開発に大きな影響を与えました。

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