だいじょうぶI'M ALL RIGHT

「だいじょうぶI'M ALL RIGHT」（だいじょうぶ・アイム・オール・ライト）は、日本のシンガーソングライター、KANによって1988年 6月25日にリリースされたシングル作品です。当時のポリドール・レコードのレーベルより世に送り出された、彼にとって通算3枚目にあたるシングル作品として位置づけられています。

リリース背景

このシングルが発表された1988年は、日本の音楽シーンが多様化し、いわゆるJ-POPというジャンルが確立されつつあった時代であり、多くの才能あるアーティストが新たなサウンドを模索していました。KANもまた、この時期に精力的な音楽制作活動を行っており、本作はその活動の一環として登場しました。

特筆すべき点として、このシングルは同時期に制作されていたオリジナルアルバム『GIRL TO LOVE』と全く同じ日、すなわち1988年 6月25日に発売されたという点が挙げられます。これは、通常、アルバムからの先行シングルとして、あるいはアルバムリリースのプロモーションを兼ねた形でシングルが発売されるケースが一般的であることから、当時のレコード会社やアーティスト側の戦略が垣間見える興味深いリリース形態と言えます。シングルがアルバムと同日に店頭に並ぶことで、アルバムへの導入としての役割と、単体作品としての訴求力の双方を狙ったものであった可能性が考えられます。

楽曲情報

このシングルには、表題曲である「だいじょうぶI'M ALL RIGHT」と、カップリングとして収録された「フランスについた日」の2曲が収められています。

クレジット

両楽曲の制作クレジットは以下の通りです。

作詞・作曲: KAN
編曲: KAN・松本晃彦

クレジットを見てみると、全楽曲の作詞および作曲をKAN本人が手掛けていることが分かります。これは彼のシンガーソングライターとしてのアイデンティティを強く示す要素であり、自身の内面やメッセージを音楽に乗せて表現しようとする姿勢が表れています。

一方、編曲はKANと、当時から現在に至るまで数多くのアーティストの楽曲を手掛けているアレンジャー、松本晃彦氏との共同名義となっています。松本晃彦氏は、その洗練されたアレンジワークで知られており、当時の日本のポピュラー音楽におけるサウンドメイクに多大な影響を与えました。彼の参加が、このシングルの楽曲にどのような音響的特色をもたらしたのかが注目される点です。KAN自身のメロディセンスと、松本晃彦氏による編曲が組み合わさることで、この時期のKANの音楽性を特徴づけるサウンドが構築されたと言えるでしょう。

収録曲詳細

1. だいじょうぶI'M ALL RIGHT (作詞・作曲：KAN / 編曲：KAN・松本晃彦)
シングルの表題曲であり、同日発売のアルバム『GIRL TO LOVE』にも収録されています。当時のKANのポップな感性やメロディラインが反映された楽曲であったと推測されます。編曲面では、KANと松本晃彦氏の共同作業によるサウンドが特徴です。
2. フランスについた日 (作詞・作曲：KAN / 編曲：KAN・松本晃彦)
シングルのカップリング曲として収録されています。タイトルからは異国情緒や旅情を感じさせるイメージが連想されますが、具体的な楽曲内容は情報にありません。こちらも表題曲と同様に、KAN自身が作詞・作曲を手掛け、編曲はKANと松本晃彦氏の共同名義となっています。

キャリアにおける位置づけ

「だいじょうぶI'M ALL RIGHT」は、KANのキャリアにおいて通算3枚目のシングルにあたる作品であり、彼の活動初期における重要な一歩と言えます。後の大ヒットにつながるアーティストとしての確固たるスタイルが形成されていく過程において、この時期にリリースされたシングルやアルバムが果たした役割は小さくありません。特に、同日発売のアルバム『GIRL TO LOVE』と共に捉えることで、この時期のKANの音楽的な方向性や制作体制がより明確に見えてくるでしょう。シンガーソングライターとしてのKANの、その後の飛躍に向けた足掛かりとなった作品群の一つとして、記憶されるべきシングルと言えます。

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