ちきゅう観測隊!

『ちきゅう観測隊!』:滅亡寸前惑星からの脱出劇!



名島啓二氏によるSFコメディ漫画『ちきゅう観測隊!』は、2005年の読み切り掲載から始まり、週刊少年マガジンで不定期連載を経て、2013年に単行本化されました。単行本は全1巻です。

物語の舞台:危機迫るピタゴラ星



舞台となるのは、あと数年で滅亡の危機に瀕している惑星ピタゴラ星。新たな移民先を求め、宇宙開発局は観測隊を全宇宙に派遣します。その中に、主人公であるベガ隊長とその相棒のロボット、フレミィがいます。

主人公たち:ベガ隊長とフレミィ



ベガ隊長は、ピタゴラ星宇宙開発局の職員で、仕事は夜間警備のみという落ちこぼれ。一方、フレミィは、ベガ隊長に付き従う欠陥サポートメカです。彼女は自律思考型試験機3号機で、少女のような外見をしていますが、感情はオミットされているため、常に仏頂面です。

ベガ隊長とフレミィは、互いに不器用ながらも、20億年彼方にある地球を目指す旅を続けます。彼らの旅路は、様々な惑星宇宙人との出会い、そして予想外のトラブルで彩られています。

個性豊かなサポートメカたち



物語には、ベガ隊長とフレミィ以外にも個性豊かなサポートメカが登場します。

S-SMkIII 量産型メドレィ: レオニール大観測隊に所属するサポートメカ。感情がなく、命令に忠実に従います。
S-X0 サクヤ: 100年前に製造された自律思考型試験機の1号機。人間らしい感情を持ち、故郷を離れたまま故人を待つという悲しい過去を持っています。
S-T4 ラストエグザム: カロウナ観測隊に所属する戦闘用サポートメカ。戦闘能力が高く、ベガ隊長からは「セクシー」と評されています。
S-MC エリクシル: レブレ観測隊に所属する医療特化型サポートメカ。医療行為において、問題を起こす一面も持ち合わせています。
S-Tk2 ゼクス: エミレン観測隊に所属する戦闘用サポートメカ。リゲル隊長を守るために、常に彼女の傍らにいます。
S-CCT パルコ: エミレン観測隊に所属する整備用サポートメカ。

これらのサポートメカは、それぞれ異なる個性と能力を持っており、物語に様々なスパイスを加えています。

困難と笑いに満ちた宇宙旅行



地球を目指す旅は、決して平坦ではありません。ベガ隊長とフレミィは、宇宙の様々な場所でトラブルに巻き込まれます。故障、事故、個性的な宇宙人たちとの出会いなど、数々の困難に直面しながらも、彼らはユーモアと機転で乗り越えていきます。

8年の歳月を経て単行本化



『ちきゅう観測隊!』は、週刊少年マガジンでの不定期連載という特殊な経緯を経て、単行本化されました。初掲載から8年という長い時間を経ての単行本化は、作者である名島啓二氏にとっても大きな喜びだったことでしょう。単行本には、この喜びが感じられる、作者のコメントとイラストが掲載されています。

ドタバタコメディと心温まる物語



『ちきゅう観測隊!』は、単なるSFコメディにとどまりません。落ちこぼれのベガ隊長と欠陥メカのフレミィという、一見すると対照的な二人の関係性を通して、友情や信頼といった、普遍的なテーマも描かれています。彼らのユーモラスなやりとりと、時折見せる真剣な表情は、読者に深い感動を与えます。

一度読んだら、忘れられない、そんな作品です。

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