ちちぶ (列車)

西武鉄道の特急「ちちぶ」：詳細解説

西武鉄道が池袋線・西武秩父線経由で運行する特急「ちちぶ」は、池袋駅と西武秩父駅を結ぶ主要な列車です。本記事では、「ちちぶ」を中心に、池袋駅 - 飯能駅間を運転する「むさし」、過去に運行された特急列車、そして様々な臨時列車について詳しく解説します。

運行概況

「ちちぶ」と「むさし」の列車号数は、下りが奇数、上りが偶数で、発車順に番号が割り振られます。定期列車には0 - 50番台、臨時・不定期列車には70 - 90番台が使用されます。基本的には平日と土休日でほぼ同じ時刻で運行されますが、大幅に異なる列車も存在し、土休日の列車には60番台の番号が割り当てられることがあります。

ちちぶ

「ちちぶ」は、池袋駅 - 西武秩父駅間を運行します。ただし、土休日の下り1本のみ所沢駅始発です。列車名は、埼玉県秩父地方に由来します。飯能駅ではスイッチバックを行います。芝桜の開花時期や秩父夜祭の開催時には、平日・土休日に関わらず増発されます。

むさし

1973年から池袋駅 - 飯能駅間で運行されている「むさし」は、武蔵国（現在の東京都や埼玉県など）にちなんだ名称です。主に埼玉県西部の通勤客をターゲットとした「ホームライナー」としての役割を担っています。

平日は早朝と夕方以降に運行され、最終列車は池袋駅を午前0時に出発します。土休日は10時台までと14時台以降に運行され、最終列車は池袋駅を23時に出発します。延長運転や臨時列車は「むさし」が主体となることが多いです。高麗巾着田の曼珠沙華開花時期や秩父夜祭の際には、「むさし」の名称のまま西武秩父駅まで延長運転されることがあります。2016年4月1日からは、祝日を除く毎週金曜日の池袋駅22時30分発の列車も「むさし」として西武秩父駅まで運行されています。

かつては所沢駅始発池袋駅行きの設定もありました。小江戸の運転開始前は、新宿線の特急列車にも「むさし」の名称が使用され、休日の新宿線「おくちちぶ」の送り込み列車にもこの愛称が使われていました。

運行本数

登場当初は平日2往復・休日4往復で運転を開始し、その後、ダイヤ改正ごとに増発を重ねて現在に至ります。2001年から2010年の間に7回実施されたダイヤ改正のうち、6回で増発や「むさし」の運転区間延長に伴う「ちちぶ」化が行われました。2018年3月10日の改正以降、以下の形態で運転されています。

平日

下り：「ちちぶ」16本、「むさし」11本、計27本（池袋駅発車基準）
上り：「ちちぶ」16本、「むさし」14本、計30本（池袋駅到着基準）

土休日

下り：「ちちぶ」17本、「むさし」12本、計29本（所沢駅始発1本を除く、池袋駅発車基準）
上り：「ちちぶ」17本、「むさし」12本、計29本（池袋駅到着基準）

使用車両・編成

2019年からは001系「Laview」が使用されています。全列車座席指定制で、利用には特急券が別途必要です。過去には10000系「ニューレッドアロー」（1994年 - 2020年）や5000系「レッドアロー」（1969年 - 1995年）も使用されていました。

停車駅

（池袋駅 - ）所沢駅 - 入間市駅 - 飯能駅 - （横瀬駅 - 西武秩父駅）

「ちちぶ」の下り1本は所沢駅 → 西武秩父駅間で運転されます。「むさし」は全列車が池袋駅 - 飯能駅間を運転します。

臨時列車

ドーム

西武ドームでのプロ野球（埼玉西武ライオンズ主催試合）開催日に、池袋駅 - 西武球場前駅間で運転される臨時特急列車です。2006年には「スタジアムエクスプレス」という愛称が使用されましたが、2007年からは「ローズエクスプレス」とともに「ドーム」に統一されました。

かつて運行されていた列車

こぶし
おくちちぶ
MISATO TRAIN
ローズエクスプレス
電車フェスタ号
臨時夜行特急

沿革

1969年：西武秩父線開業とともに「ちちぶ」・「こぶし」が運転開始。
1973年：「むさし」運行開始、「こぶし」廃止。
1976年：「おくちちぶ」運転開始。
1993年：「小江戸」運転開始に伴い、「おくちちぶ」・「むさし」を廃止。
1994年：10000系が「ちちぶ」・「むさし」として運行開始。
2019年：001系「Laview」の運行を開始。
2020年：001系による10000系の置換え完了。

関連項目

レッドアロー
小江戸 (列車)
S-TRAIN
西武鉄道のダイヤ改正

外部リンク

特急ラビュー ：西武鉄道Webサイト

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