ちょっとだけかえってきた Dr.SLUMP

ちょっとだけかえってきたDr.スランプ

『ちょっとだけかえってきたDr.スランプ』は、鳥山明が原作・監修、小山高生が脚本、中鶴勝祥が作画を担当した漫画作品です。集英社の月刊誌『Vジャンプ』にて1993年から1996年まで連載され、単行本も全4巻で発売されました。

概要

本作は、原作『Dr.スランプ』の最終回後を描いた物語で、則巻千兵衛の娘ニトロが1歳を迎えるところから始まります。ターボは3歳に成長していますが、アラレたちは原作連載終了時と同じ高校3年生のままです。脚本を担当した小山高生は、アラレの年齢について「目をつぶってもらって」とコメントしつつ、則巻家に新しい女の子が増えたことで起こる変化を楽しんでほしいと語っています。また、原作で死亡したDr.マシリトが生きている姿で登場するほか、多数のオリジナルキャラクターが登場することも特徴です。

連載当時は、『Vジャンプ』の表紙を飾ることも多く、その人気ぶりが伺えます。

内容

本作では、『ドラゴンボール』、『ドラゴンボールGT』、『GO!GO!ACKMAN』、『DUB&PETER1』といった鳥山明の他の作品や、『ドラゴンクエストシリーズ』、『ファイナルファンタジーVIII』、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』などのゲームキャラクターがゲスト出演したり、扉絵やストーリー上でコラボレーションしたりしています。また、『ストリートファイターII』とのコラボレーション扉絵も存在します。

単行本1巻には、本作の制作過程が詳細に説明されています。小山高生が書いた脚本を、鳥山明と当時のプロデューサー森下孝三がチェックし、3人の話し合いで決定。改良された脚本を基に、中鶴勝祥が設定画やコマ割りなどの原画を描き、中鶴と浅井聡子が相談して色指定を行い、スタッフが彩色などを担当しました。12話から登場するカルテ一家は、鳥山明が描いたラフスケッチを基に、中鶴勝祥が作画を仕上げています。

本作は原作同様、他国でも翻訳されており、セル画を使ったオリジナル漫画としては世界初で、日本唯一であるとされています。

アニメ Dr.スランプとの関連

1993年公開の『Dr.スランプ アラレちゃん んちゃ!ペンギン村より愛をこめて』と1994年公開の『Dr.スランプ アラレちゃん んちゃ!!わくわくハートの夏休み』は、本作の設定・舞台を基に制作されています。また、1994年公開の『Dr.スランプ アラレちゃん ほよよ!!助けたサメに連れられて…』は、本作の4話「ほよよ!!助けたサメに連れられて…」のストーリーを原案としています。映像化されたのは、「ほよよ!!助けたサメに連れられて…」のみです。

1995年には、「ちょっとだけかえってきたDr.スランプ 1995年度卓上カレンダー」が発売されました。

登場人物と発明品

本作には、お馴染みのキャラクターに加え、ニトロやカルテ一家といった新キャラクターが登場し、物語を盛り上げます。また、則巻千兵衛や則巻ターボ、Dr.マシリトといった天才科学者たちが、ユニークな発明品を多数開発しています。

主な発明品

爆睡枕くん: ニトロを寝かしつけるために千兵衛が作った子守唄を歌う枕。
Dr.スイダシくん: 風邪を引いたニトロから病原体を吸い取る掃除機型の機械。
おつげマシーン「おしえて！ミコちゃ〜ん」: 未来や天気を予言する占い師型マシーン。
瞬間強力毛生え薬ノビール: 千兵衛が髪を速く伸ばすために開発したが、伸びすぎる欠点がある薬。
おさんぽダックくん: ニトロのために作られた足漕ぎ式の空飛ぶオマル。
体感マシーンバーチャルくん: ターボが作ったゲームの中に入れるマシーン。
おのぞみ変身マシーン: アラレが大人に変身するためにターボが作った腕時計型の機械。
ヘリ子ブタ: ターボが作った陸海空どこでも移動できるブタ型万能ヘリコプター。
キャラメルマン10号: マシリトが主催したゲーム大会で起動させた巨大ロボット。
タイムリップ: マシリトが過去へタイムスリップするために作った口紅型のタイムマシン。

大会

作中では、Dr.スランプ復活記念として開催された「第1回ペンギン村ゲームグランプリ」や、レストランスーパーリッチ開店25周年記念の「メチャンコうまい物ぜーんぶ食べたらタダだぜ！チャンピオン大会」、そして鳥山明主催の「第1回ペンギン村芸術まつり」など、様々な大会が開催され、物語を彩っています。

もう一度検索