ちょっとFallin' Love

「ちょっとFallin’ Love」は、1988年5月18日にCBSソニーから発売された渡辺美奈代の8枚目のシングルです。この楽曲は、それまでのブリブリアイドル路線から一転、1960年代のポップスを彷彿とさせるオールディーズ路線へと大胆な方向転換を遂げたことが大きな特徴です。

音楽プロデューサーには、ムーンライダーズの鈴木慶一が迎えられました。彼はこの曲で、タイトルを連呼するフレーズと、特徴的な頭サビを導入し、楽曲に独特の個性を与えました。鈴木自身も、この曲がフィル・スペクターの「ウォール・オブ・サウンド」の影響を強く受けていることを認めています。このサウンドは、おニャン子クラブ繋がりで渡辺満里奈の「うれしい予感」にも見られるように、当時のアイドルソングに新たな潮流をもたらしました。

楽曲中、「♪ちょっと ○○○○」というフレーズが16回も繰り返される点が、聴く人の耳に残る大きな要素となっています。また、作曲家としてクレジットされている渚十吾は、当時CBSソニーで渡辺の担当ディレクターであった黒田日出良のペンネームであり、後に同名義で作家・ソロアーティストとしても活動しています。渡辺は黒田のことを親しみを込めて「お父さん」と呼んでいましたが、実際には5歳しか年齢が離れておらず、黒田はそれを嫌がっていたというエピソードも残っています。

このシングルリリースを機に、渡辺美奈代は髪型をショートカットに変え、イメージチェンジを図っています。

収録曲は以下の通りです。

1. ちょっとFallin’ Love（3:16）
作詞: 文園千津子／作曲: 鈴木慶一、渚十吾／編曲: 鈴木慶一
2. ほめてよHold Me Tightほめて（4:06）
作詞: 蓮田ひろか／作曲・編曲: 鈴木慶一

この楽曲は、数多くのアルバムに収録されています。

CD収録作品

My Boy -歌え! 太陽- a summer place
KISS! KISS! KISS! -MINAYO WATANABE BEST-
渡辺美奈代ベスト・コレクション
GOLDEN☆BEST 渡辺美奈代 SINGLES
渡辺美奈代 30th Anniversary Complete Singles Collection Disc 1 M-15/M-16
結成30周年記念CD-BOX シングルレコード復刻ニャンニャン Disc 96 ※オリジナカラオケ含む
[おニャン子クラブ] シングルレコード復刻ニャンニャン［通常盤］7 Disc 1 M-3/M-4
ムーンライダーズのいい仕事!Sony Music編 M-01
* Keiichi Suzuki chronicle 1970-2015 謀らずも朝夕45年 鈴木慶一 45周年記念ベスト・アルバム Dics 3 M-11

「ちょっとFallin’ Love」は、渡辺美奈代のアイドルとしての新たな一面を引き出し、音楽史においても重要な一曲として記憶されています。特に、鈴木慶一のプロデュースワークや、60年代ポップスへのリスペクトを感じさせるサウンドは、後世の音楽にも影響を与えたと言えるでしょう。

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