渡辺美奈代『MY BOY -歌え! 太陽- a summer place』
1988年8月19日に発売された
渡辺美奈代の5枚目のオリジナル
アルバム『MY BOY -歌え! 太陽- a summer place』は、音楽的な冒険と新たな魅力を提示した作品です。プロデュースは、
ムーンライダーズの
鈴木慶一と渚十吾が共同で担当しました。
プロデュースと音楽性
アルバムは、
鈴木慶一と渚十吾の個性が融合したサウンドが特徴です。特に注目されるのは、
シングル「
ちょっとFallin' Love」とそのB面曲「ほめてよHold Me Tight」の
アルバムバージョンです。
「
ちょっとFallin' Love」は、
シングル盤にはない2番の歌詞が加わったロングバージョンで収録されています。
シングルではサビ、1番、サビ(3回繰り返し)という構成に対し、
アルバムバージョンではサビ、1番、サビ、2番、サビ(2回繰り返し)となり、より楽曲の魅力を深く味わえる構成となっています。
渡辺美奈代は、この曲のタイトルを見た時、
戸川純のようなイメージを抱いたそうですが、
1988年から1990年にかけてのコンサートでは、「
瞳に約束」「
ちょっとFallin' Love」「ロリータROSE」の3曲が定番として歌唱されました。特に「ロリータROSE」は、セットリストの最後やアンコールで頻繁に披露されています。
また、「さよならは笑顔で」は、アカペラ風のアレンジが施されています。これは、
中村あゆみのアカペラコンサートに感銘を受けた
渡辺美奈代が、この楽曲を制作してもらったというエピソードがあります。曲の冒頭には、
アルバム1曲目の「My Boy」が1小節だけ挿入されており、ライブ形式を意識した構成が伺えます。これは、「My Boy」がアンコールの位置付けであることを示唆しています。
キャンペーン
アルバムの予約者には、世界初と称された「美奈代特製ペーパーウォッチ」が5万名限定でプレゼントされました。このキャンペーンは、当時大きな話題となりました。
収録曲
1. My Boy(3:24)
作詞:文園千津子/作曲:渚十吾/編曲:
鈴木慶一・渚十吾
2. 北北西の風(3:54)
作詞:文園千津子/作曲・編曲:
鈴木慶一
3.
ちょっとFallin' Love(New Mix Long Version)(4:17)
作詞:文園千津子/作曲:
鈴木慶一・渚十吾/編曲:
鈴木慶一
4. 靴をはいたサマー(4:17)
作詞:
鈴木博文/作曲・編曲:
鈴木智文
5. ロリータROSE(3:38)
作詞:蓮田ひろか/作曲・編曲:
鈴木慶一
6. ガラスの一秒(3:19)
作詞:滋田美佳世/作曲・編曲:
鈴木さえ子
7. One Boy(3:19)
作詞:滋田美佳世/作曲・編曲:
矢口博康
8. きっと、きっと(3:47)
作詞:蓮田ひろか/作曲・編曲:
中原信雄
9. ほめてよHold Me Tightほめて(New Mix Version)(3:51)
作詞:蓮田ひろか/作曲・編曲:
鈴木慶一
10. My Boy Reprise ~さよならは笑顔で~(3:29)
作詞:滋田美佳世/作曲:
鈴木慶一・渚十吾/編曲:
鈴木慶一
この
アルバムは、
渡辺美奈代の新たな音楽性を追求した意欲作であり、彼女のキャリアの中でも重要な位置を占める作品と言えるでしょう。