つがるロマン

つがるロマンとは

つがるロマンは、青森県で育成されたジャポニカ種に属するの粳米の品種です。1996年2月から青森県の奨励品種に指定されて以来、約30年間にわたり主に津軽中央地帯で親しまれてきました。その名前は、青森県内での一般公募によって選ばれ、地域の誇りと希望が詰まっています。「津軽の土と太陽の恵みを受けたおいしいお米に育ってほしい」という生産者の願いも込められています。

特徴と作付け

つがるロマンは、食味や品質の向上を目的に開発され、耐冷性やいもち病への抵抗性を持ちながらも、優れた味わいを特徴としています。あきたこまちの系統を持ち、非常に食味が良いことで知られています。主に津軽中央地帯や津軽西北、南部平野の内陸地域で良好な土壌と気象条件を活かして生産されています。

青森県では、他の米品種と同様に、県内で統一された包装デザインが採用され、単品として一年を通して販売されています。その結果、つがるロマンは県内で高い知名度を誇り、青森農業の看板商品としての地位を確立しています。しかし、近年は高温の影響で胴割米が発生しやすくなり、耐倒伏性も大きな課題となっています。そのため、作付けは徐々に減少しており、2022年にはその取り扱いが終了することが発表されました。その後、後継品種として「はれわたり」が奨励品種に指定されています。

育成の歴史

つがるロマンの育成は、1988年に奨励品種として登場した「つがるおとめ」に取って代わる形で始まりました。この前品種は良食味米として一時的な人気を得たものの、年によって品質にばらつきがあったため、代替品種が求められました。そこで開発されたのがつがるロマンです。

1985年に青森県農業試験場で開始された交配プロジェクトを経て、良食味性と耐冷性、耐病性を特長とする新しい品種が育成されました。様々な栽培試験を経て、1996年に正式に奨励品種として選定されるに至りました。

品質評価

つがるロマンは、青森県農業試験場の食味評価において、他の品種と比較して高い評価を得ています。特に、つがるおとめと比べて粘りの強さが際立ち、「あきたこまち」と同等の美味しさを持っています。その結果、一般消費者にも愛される米として広く流通し、特に和食によく合うとして重宝されています。この評価は1996年の奨励品種に指定された後も、食味ランキングでAランクを維持することになりました。

現在の動向と未来

2020年に育成者権が消滅し、一般品種としての扱いになったつがるロマンですが、2022年の青森県米穀集荷協同組合の総会で「はれわたり」が後継品種に認定されることが決まりました。これからの青森の米文化において、つがるロマンの存在は決して消えるものではなく、次世代へと受け継がれていくでしょう。

まとめ

つがるロマンは青森県の自然条件と生産者の熱意によって育成された宝物の米です。食味や品質の面でも高い評価を受け、県内外の人々に愛されています。これからの青森の米作りを支えるひとつの象徴として、歴史を持ちながら新しい品種が登場してゆくなど、その振興が期待されています。

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