つき手

相撲における「つき手」とは、力士が自身のバランスを失い、相手の力の影響を受けずに土俵に手をついてしまう状態を指します。これは、相撲の勝敗を決定する「決まり手」とは異なり、2000年12月に追加された「非技」として扱われます。

「つき手」という言葉は、相手をかばう動作である「かばい手」と対比される概念としても用いられます。この二つは、特に力士が土俵に倒れる際、どちらの動作が原因で手をついたのかが曖昧になりやすく、しばしば議論の対象となります。特に、下になった力士の足腰が柔軟である場合、かばい手なのかつき手なのかの判断が困難になることがあります。

過去には、1972年1月場所の北の富士対貴ノ花戦や、2004年7月場所の朝青龍対琴ノ若戦など、つき手とかばい手の判断が論争を呼んだ有名な例があります。これらの例では、下になった力士の身体能力が高く、かばい手とも解釈できる動きがあったため、議論が白熱しました。しかし、上になった力士からすれば、対戦相手の足腰の強さまで考慮する余裕がないのも事実です。

最近では、2012年7月場所の琴奨菊対妙義龍戦、2013年5月場所の十両における磋牙司対栃乃若戦、2013年11月場所の十両における朝赤龍対千代の国戦、そして2020年9月場所の髙安対琴勝峰戦など、つき手によって勝敗が決した事例が見られます。

これらの事例を通じて、「つき手」は相撲の勝敗を左右する重要な要素でありながら、その定義や解釈が時に曖昧になる、複雑な側面を持つ非技であると言えるでしょう。

関連情報

相撲
大相撲の決まり手一覧

外部リンク

* つき手 - 決まり手八十二手 - 日本相撲協会公式サイト

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