つぶや句575

つぶや句575

「つぶや句575」（つぶやくごしちご）は、日本の公共放送であるNHKがラジオ第1で全国に向けて放送していた、インターネットを活用した俳句番組です。愛媛県のNHK松山放送局が制作を担当していました。

番組の成り立ち

この番組は、NHKラジオ第1が地域放送局の制作する番組を全国向けに発信する取り組みの一環として生まれました。2007年度に沖縄放送局制作の番組が成功を収めたことを受け、翌年度から東京・大阪以外の主要な放送局が持ち回りで番組を担当するローテーションが開始されます。当初は札幌、仙台、名古屋、福岡、沖縄の5局が交代で放送していましたが、沖縄の番組が他枠へ移動したことで、特に暦の関係で発生する「第5週」の放送枠の扱いが課題となりました。

この空き枠を埋める形で、地域拠点局の中でこのローテーションに参加していなかった中四国地方から、NHK松山放送局が名乗りを上げます。松山局は、古くから俳句文化が盛んな愛媛県を放送エリアとし、これまでもBSやEテレで「俳句王国」などの俳句関連番組を制作してきた実績がありました。特に、BS再編に伴い俳句関連番組の放送枠が縮小されたことも、新たな俳句番組を制作する動機の一つとなりました。

こうして、インターネットという当時普及が進んでいたツールを活用し、より多くの人が気軽に参加できる新しい形の俳句番組として「つぶや句575」が企画されました。

番組内容と特徴

「つぶや句575」の最大の特徴は、その名の通り「つぶやくような感覚」で俳句を創作し、投稿できる点にありました。番組専用のインターネットサイトと、公式Twitterアカウントを通じて、毎回提示される特定のお題に沿った俳句をリスナーから広く募集しました。

寄せられた多くの作品の中から、番組のレギュラー出演者である選者たちが優れた俳句を厳選し、放送中に紹介しました。さらに、特に秀逸と認められた1〜2作品は、その回の最優秀作品として「キング・オブ・つぶやきスト」の称号を与えられ、表彰されました。

放送形態と期間

番組は、2011年3月7日にパイロット版として初めて放送されました。その後、同年3月30日から本格的にレギュラー放送が開始されます。当初は、主にNHKラジオ第1の地域番組ローテーション枠として、第5週の水曜日の夜に放送されることが基本でした。

しかし、2013年度からは放送形態が変更され、定時番組ではなく不定期の特集番組として放送されることが増えました。主に祝日などに、2時間程度の拡大版として編成されるケースが多く見られました。過去には、2011年9月23日には金曜日の祝日に特集番組として放送されたり、2012年1月3日には正月特番として放送されたりした例があります。また、特定の回（2011年11月30日、2013年1月30日など）では、通常より放送時間を拡大して放送されたこともありました。

「つぶや句575」は、2018年3月21日の放送をもって最終回を迎え、およそ7年間の歴史に幕を閉じました。

主な出演者

番組を支えたレギュラー出演者は以下の通りです。

つぶやきシロー（タレント、選者）
佐藤文香（俳人、選者）
小西政親（NHK松山放送局アナウンサー、2016年度〜2017年度進行）

その他、毎回数名のゲストが出演することがありました。

過去には、NHK松山放送局のアナウンサーが持ち回りで進行を担当しており、以下の方々が出演していました。

中倉隆道（当時松山局アナウンサー、2011年度進行・プロデューサー）
沢田石和樹（当時松山局アナウンサー、2012年度〜2013年度進行）
田中寛人（当時松山局アナウンサー、2014年度〜2015年度進行）

インターネットとラジオを組み合わせたユニークな形式は、多くの俳句ファンやリスナーに親しまれました。

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