てるてる家族

連続テレビ小説『てるてる家族』

『てるてる家族』（てるてるかぞく）は、2003年度下半期にNHK大阪放送局が制作した連続テレビ小説で、第69作にあたります。この作品は全150回にわたり、2003年9月29日から2004年3月27日まで放送されました。全エピソードは、2016年にはNHK BSプレミアムにより再放送されました。原作はなかにし礼による小説『てるてる坊主の照子さん』で、大森寿美男が脚本を担当しました。

原作・舞台の設定

本作の原作は、池田市栄町に所在するサカエ町商店街を舞台にし、なかにし礼の妻である石田由利子（芸名：石田ゆり）とその家族をモデルにしています。この小説は2001年から2002年にかけて、北海道新聞や東京新聞などに連載され、後に新潮社から出版されました。放送期間中には他の連載小説も同時期に放送されており、視聴者にとって対照的なストーリーが楽しめました。

本作では、岩田春男（岸谷五朗）と妻照子（浅野ゆう子）、4人の娘たち（春子、夏子、秋子、冬子）がそれぞれの夢を追求する様子が描かれています。ストーリーはコメディータッチで展開され、登場人物たちの会話の中には時折流行歌が取り入れられ、ミュージカルのような雰囲気もあります。このスタイルは、同枠のドラマでは初めての試みであり、非常にユニークな特徴となっています。

あらすじとテーマ

物語は1946年、春男が銀行員を辞めてパン職人を目指す決断をするところから始まります。妻の照子と共に佐世保の米軍基地で修行を始め、その後、大阪に戻った彼は自宅で「岩田製パン」を開業します。次々と生まれる娘たちも、母の影響を受けてそれぞれの夢に向かって生きていく様子が描かれています。春子はフィギュアスケートの道を進み、夏子は芸能界に挑戦し、秋子は独自の道を模索しつつ成長していきます。

冬子はこの物語の中心人物であり、家族のサポート役として重要な存在です。彼女は自分の夢を見つけられずに悩みつつも、最終的には家業であるパン屋を受け継ぐ決意を固めます。物語は、家族の絆や夢を追うことの大切さを描き出しています。キーワードとなる「なるようになる」というフレーズが示すように、運命を受け入れ、自らの道を歩む姿が強調されています。

キャラクター紹介

主要なキャラクターとして、春男、照子、そして彼らの娘たち、特に冬子が深く描かれています。冬子はおっちょこちょいで明るい性格ですが、母や姉たちの希望を望むあまり、自分自身の夢を見つけられずに悩みます。春子はフィギュアスケートに励む真面目な性格、夏子は芸能プロダクションにスカウトされて華やかな道を進む一方、秋子は秀才ながら自分らしさを模索している複雑なキャラクターです。

本作は、家族の成長と夢をテーマにし、視聴者に感動と笑いを提供しました。現代にも通じる家族愛と個々の成長は、多くの人に共感をもたらし、放送終了後も高い評価を受け続けています。

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