でたとこプリンセス

『でたとこプリンセス』

概要

『でたとこプリンセス』は、奥田ひとしが手がけた漫画で、1992年から1998年まで『月刊ドラゴンマガジン』に連載されていました。この作品は、スラップスティックなギャグコメディーを基盤にしたハイ・ファンタジー作品です。物語は魔法の国ソーサランドを舞台に、王女ラピスを中心に展開されるどたばた騒動が主な内容です。基本的にはギャグ漫画ですが、時にはシリアスな展開や感動的な人間ドラマも展開されます。連載当初の話数やタイトルはなく、単行本化にあたって追加されました。

特色

作品の特徴は、登場人物がナレーションに絡んだり、他の作品や過去の名作をギャグとして用いるメタフィクションの要素が多く取り入れられていることです。また、単行本は富士見ファンタジアコミックスから発刊が始まり、連載途中からは角川書店のドラゴンコミックスに移行しました。この作品はラジオドラマやOVAにも展開され、様々なメディアで親しまれています。

あらすじ

物語は魔法の国ソーサランドから始まります。ここでは、15歳になると『成人の儀』を行い、自分に合った魔法を使えるようになりますが、ラピスは厳しい教育を受けたせいで、この儀式が何を意味するのか分からず悩んでいました。王妃のサファイアはラピスに大人になる自覚を持たせるため、彼女を5歳の子供に戻す魔法をかけます。最初は喜んでいたラピスでしたが、やがて子どもであることの不便さを痛感し、成長したいと強く願うようになります。この願いを受けて魔法が解除され、ラピスは魔法消去の力を得ることになります。

ラピスは大人としての魔法を手に入れても、その性格や内面は大きく変わるわけではなく、好奇心旺盛で気分屋のままです。このため、彼女の周囲には様々な個性的な仲間や敵が集まり、騒がしい日々が続きます。

ある日、予言者チャザムからの警告が響き渡ります。復活した大魔王タイガー・アイが王室に襲いかかり、ラピスはその危機に立ち向かわなければならなくなります。彼女は周囲の支援を受けて力を合わせ、この危機を乗り越えていくことになります。タイガー・アイとの対峙を通じて、ラピスは自身の成長と人々との絆を再確認することになります。最終的には、ラピスの力を結集した必殺技で魔王を討伐し、国を救います。

登場人物

ラピス

主人公であるラピスは、ソーサランドの王女で15歳。彼女は魔法消去の力を得るが、性格はそのままに奔放で国民に愛される存在です。

コハク

「不死身の傭兵」と呼ばれるが、実際には戦士としては弱い。魔法消去で呪いを解けることを知り、ラピスの側近となります。

ダイヤ=主水

ソーサランドの国王で、魔法を使い穏健な性格。家庭を愛する面があり、時には厳格さを見せます。

サファイア

ラピスの母で国王妃、強力な魔法を宿していますが、ドSな一面も見せます。

その他のキャラクター

ナンドラゴラやじい、ルビィなど、個性的で印象深い脇役が登場し、物語を盛り上げていきます。

書誌情報

本作は全6巻で、各巻には描き下しの番外編が収録されています。

アダプテーション

1997年から1998年にかけてOVAがリリースされ、声優陣による豪華なキャストが特徴です。音楽や主題歌も特に注目されています。

まとめ

『でたとこプリンセス』は、ギャグや友情、成長をテーマにした多彩な物語で、ユニークなキャラクターたちが織りなすドタバタ劇には多くの魅力が詰まっています。

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