でほぎゃらりー

でほぎゃらりーの概要

でほぎゃらりー（英: Dehogallery, Inc.）は日本のアニメ制作会社であり、主に背景美術を専門に取り組んでいます。この会社は2014年にスタジオジブリの制作部門の解散を受けて設立され、その背景にはアニメーション業界における手描き美術技術継承への危機感がありました。

設立の背景

スタジオジブリの名監督、宮崎駿の引退表明により、長年培われてきた手描き美術が消えてしまうのではないかとの懸念が広がりました。この時、元スタジオジブリのプロデューサーである西村義明が中心となり、ドワンゴの川上量生、カラーの庵野秀明との協力を得て背景美術の専門スタジオを設立しようと決意しました。

西村によると、設立をきっかけに庵野がその理念を支持したことが大変重要でした。庵野は『かぐや姫の物語』の制作の際に「宮崎駿の画が大好きなので、その系譜を残したい」と力強く訴え、アニメ映画の中に子どもが主人公の一生懸命に生きるストーリーを残すことの重要性を語りました。また、庵野は手描きアートがデジタル化の流れの中で減少することを懸念し、伝統技術の継承に向けた新入社員の採用の必要性を強調しました。

クリエイターの集団

設立当初から現在にかけて、でほぎゃらりーは著名なクリエイターたちが集まる場となりました。2015年時点で、スタジオには11名の背景美術士が所属しており、ジブリ作品や細田守の映画など、多くの具体的なプロジェクトに携わっています。また、アドバイザーにはジブリの美術監督をつとめた男鹿和雄や武重洋二が名を連ねています。

幅広い活動内容

でほぎゃらりーは、アニメーション以外にもアートディレクションやゲーム、広告クリエイティブなど、多岐にわたる領域で美術制作を行っています。これは、映像表現の幅を広げると同時に、会社の存続と成長にも寄与しています。背景美術の技術を生かしたコンセプトアート制作も手がけており、顧客のニーズに応える柔軟さを持っています。

企業名の由来

スタジオ名「でほぎゃらりー」は、男鹿和雄が自身の美術会社に使うことを考えていた名前から派生しています。「でほぎゃ」は秋田弁にあたる言葉で、適当なことを「でまかせ」で言うことを意味します。これに美術館を指す「ギャラリー」を組合わせたこの名称は、悪意がなく、センスに溢れた適当さを持ち、その結果として新たな美術が生まれることを期待したものです。

沿革

2015年7月、ドワンゴ、カラー、スタジオポノックの三社が出資し、でほぎゃらりーは設立されました。最初の代表取締役社長には小林毅が就任し、2016年には太田豊紀がその後を引き継ぎました。2017年には、アニメ『メアリと魔女の花』において美術監督及び背景を担当するなど、数々のプロジェクトでその実力を発揮しています。

でほぎゃらりーは、アニメーションの真髄を守りながら、新しいクリエイティブな挑戦を続けています。

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