とくしまCITY

とくしまCITYの歴史と役割

とくしまCITY（とくしまシティ）は、徳島県徳島市に位置し、四国旅客鉄道の徳島駅の東側にあるショッピングセンターでした。その歴史は1963年（昭和38年）まで遡ります。当初、この場所には徳島バスの本社が入居したビルが建設され、その後、1972年（昭和47年）に「南海ショッピングプラザ」として開業しました。これがとくしまCITYの始まりです。

1983年3月18日、ファッションビルとして再開発され「とくしまCITY」として新装開店を果たしました。若者向けの衣料品や雑貨を中心とした店舗構成が魅力で、無印良品やユニクロなどの有名ブランドも入っていました。そのため、地域のショッピングスポットとして大いに賑わうことになりました。

経済の変化と業績不振

しかし、商業のダイナミクスは変化し、郊外への大型商業施設の開店が相次ぐ中で、とくしまCITYの業績は徐々に低下し始めました。中心市街地の空洞化が進み、来店客数が減少した結果、2003年には約22.42億円の売上高にとどまり、1.35億円の損失を計上しました。翌年の2004年にもさらなる減収と損失が続くという厳しい状況の中、南海電気鉄道は運営から撤退を決断しました。

2004年9月30日、南海電気鉄道はビルの共同所有者であった濱口商店に株式を譲渡し、運営から完全に撤退しました。その後、濱口商店が「徳島シティ事業部」として事業を引き継ぎましたが、商店街の空洞化や地域経済の厳しさが影響し、最終的には2013年7月21日に閉店する運びとなりました。

解体と新たな利用

とくしまCITYの閉店後も、一部のテナントは営業を続けましたが、最終的に建物は2013年8月から解体に入り、2014年の3月下旬には完全に解体が終了しました。この場所は利便性の高い徳島駅や高速バス乗り場に隣接しているため、跡地利用が注目されました。かつての繁栄を思わせる場所としての需要が期待されたためです。

2013年11月28日には、ダイワロイネットホテルの進出計画が発表され、地元の地権者との調整が始まりました。結果として、2015年10月21日に「ダイワロイネットホテル徳島駅前」が開業し、宿泊室数は徳島駅周辺のホテルの中では2番目の規模を誇ります。これにより、かつてのとくしまCITYの跡地は新たな賑わいを取り戻すことになりました。

付帯設備とアピールポイント

とくしまCITYは、外壁に315インチのLED大型ビジョン「とくしまCITYビジョン」が設置されており、訪れる人々の目を引いていました。また、公衆無線LANのアクセスポイントも完備され、徳島駅前エリアでのインターネット接続が可能でした。周辺には、フレシアとくしまや一番町商店街、アミコビルなども存在し、地域の利便性を高めていました。

最寄り駅は四国旅客鉄道の徳島駅で、南口から徒歩1分というアクセスの良さもありました。こうした特徴から、とくしまCITYは地域にとって重要な商業施設であったことがうかがえます。その思い出は今も地元の方々に愛されています。

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