ショッピングセンター

ショッピングセンターの概要

ショッピングセンター（英：shopping center）は、複数の小売店と共に飲食店や美容院、旅行代理店などのサービス業が集まった商業施設です。略称は「SC」で、特に大規模なものは「ショッピングモール」と称されます。

ショッピングセンターは、単独店舗に比べて顧客を惹きつける力が強く、駐車場や荷捌き施設の共用が可能です。開発業者が施設を所有することにより、小売業者の初期投資を抑えることもできます。

定義と現状

日本ショッピングセンター協会によると、2016年末時点で日本には3211箇所のショッピングセンターが存在し、店舗面積は5172万4612平方メートル、テナント数は15万9066店に達します。帝国ホテルアーケードや成田国際空港もショッピングセンターの一種として位置付けられています。なお、繊研新聞社は、ショッピングセンターを不動産賃貸業として定義し、百貨店や量販店とは異なる存在として特定しています。

歴史

起源

ショッピングセンターの起源は、紀元2世紀にローマに建設された「トラヤヌスの市場」とされ、人類史上初の商業施設として評価されています。

近代の始まり

近代的なショッピングセンターは、1922年にアメリカ合衆国カンザスシティで開かれた「カントリー・クラブ・プラザ」が初とされています。この後も、1950年前後にかけて車社会に合わせた開発が進みました。1948年にはオハイオ州コロンバスの「タウン・アンド・カントリー・ショッピング・センター」や、シアトルの「ノースゲート・ショッピング・センター」が相次ぎオープンし、現代のショッピングセンターの原型が確立されました。

世界的な発展

1956年には初の完全共同店舗型モールである「サウスデール・センター」がミネアポリス郊外で開業し、その後もエドモントンの「ウェスト・エドモントン・モール」やドバイの「ドバイ・モール」など、巨大なショッピングモールが世界各地に出現しました。

日本での歴史

日本では1954年に沖縄で「プラザハウスショッピングセンター」がオープンし、1964年にはダイエーが「ダイエー庄内店」を開店しました。これを契機として郊外型ショッピングセンターが増え、1980年代には車社会の進展とともに、大規模店舗が続々と出店しました。しかし、商店街への影響やマイカーを持たない買い物弱者の問題も浮き彫りになり、郊外型大型店舗の進出が地域経済に与える影響は無視できないものとなりました。

種類

ショッピングセンターは、規模によって大きく「リージョナル型」「コミュニティ型」「ネイバーフッド型」に分けられます。リージョナル型は大規模な店舗面積を持ち、広域商圏を対象とします。一方、コミュニティ型やネイバーフッド型は比較的小規模で、地域に密着した形で営業を行います。

建物と立地

建物の形態としては、エンクローズドモールやオープンモールがあり、それぞれの特性に応じて消費者に便利さを提供しています。また、立地には都市型と郊外型があり、立地条件に応じて来客の動線が異なる点も特長です。

今後の展望

しかし、ショッピングセンターには競争激化やネット通販の影響を受け、時に衰退するケースもあります。アメリカでは「デッドモール」と呼ばれる廃墟化したショッピングセンターが増加しているのに対し、日本では地方の商店街が消失する問題も抱えています。

このように、ショッピングセンターは消費文化の変化とともに進化してきた商業施設であり、その動向は今後も注意深く見守る必要があります。

もう一度検索