とぶくすり

とぶくすり-Hi[gh]-YAKU-

『とぶくすり-Hi[gh]-YAKU-』は、1993年4月8日から9月23日までフジテレビの深夜枠「JUNGLE」にて、毎週木曜日の深夜2時15分から放送されたバラエティ番組です。この番組は、当時の日本のお笑い界で重要な存在になることとなるナインティナインやよゐこ、極楽とんぼなどの若手芸人たちが出演していました。初期にはあまり注目されていなかったものの、放送開始後に若者の間で神秘的な人気を獲得し、会員数約40,000人を誇る「とぶくすり友の会」が設立されるほど成長しました。関東地方だけでなく、のちには北海道文化放送でも放送されるようになりました。

番組の構成とコーナー

この番組は、ショートコントと連続シチュエーションコントを中心に構成されていました。主なコーナーには、1、2分単位のショートコントと「はばたけ!舞浜商科大学」、さらにトークコーナーの「うのうのだん」がありました。ショートコントの内容は、出演者たちが手書きしたイラストで簡素なセットを構成し、ここでの「コントに予算をかけない」という方針は、以前の『夢で逢えたら』と共通するものでした。音声に関しては、音楽や効果音を除いてモノラルで収録され、簡易的なステレオ放送が行われていました。

番組のタイトルと演出

「とぶくすり」というタイトルは、ナインティナインとよゐこがフジテレビでの打ち合わせ時に決定されました。タイトルの副題「Hi[gh]-YAKU」は、笑いの配薬やメンバーの飛躍を意味しており、プログラムのメインキャストたちの存在感を際立たせるものとなっています。番組では、矢部浩之が司会役として継続的に進行役を担い、後の「めちゃイケ」における役割に繋がっていきました。

次第に視聴者の人気を集めると、特番として『とぶくすりスペシャル』が放送されるようになり、1994年にはこの特別番組が放送され続けましたが、1995年には『とぶくすりZ』として再スタートを切り、さらに進化した形での放送が行われました。

継続と影響

番組の人気は続き、1994年に『ゆく年くる年とぶくすりスペシャル』として全国ネットでの放送が実現するなど、徐々にその知名度を拡大していきました。特に、出演者たちのコントのスタイルや演技は、後に続く番組に多大な影響を与え、特に「めちゃイケ」などにおいても受け継がれました。

また、『とぶくすりZ』の最終回やその後の特別番組では、メンバーの集結や新しいパロディの発表が行われ、イベントやコラボ企画も盛んでした。最終的には、番組自体が長年にわたり続く名物として位置づけられ、2018年には特別企画が放送され、出演者たちの若き日の出会いを振り返る機会ともなりました。

現在の評価

『とぶくすり』は、若手芸人が成長し、お笑い文化の中で重要な役割を果たしていく過程を描いており、今もなお、その名残が漫才やバラエティ番組に見受けられます。番組内での数々のコントや特別企画は、観る者に笑いと楽しさを提供し続け、多くのファンに影響を与えました。

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