どぜう鍋

どぜう鍋について

どぜう鍋は、ドジョウをメインとした鍋料理で、日本の東京都下町において特に有名です。この料理は、シンプルながらも深い風味を持ち、甘辛い割下と共に楽しむスタイルが特徴です。184年ほど前に誕生したとも言われ、地元の人々や観光客に愛されている伝統的な料理の一つです。

どぜう鍋の形態

丸鍋

まず「丸鍋」は、ドジョウを開かずにそのまま調理するスタイルです。生きたドジョウを酒に浸すと、最初は激しく暴れますが、その後おとなしくなります。こうして調理されたドジョウは、薄い鉄鍋に並べられ、甘辛い割下が注がれ、炭火で煮込まれます。ボリュームあるネギと一緒に、山椒や七味唐辛子をかけて提供され、その風味を引き立てます。このスタイルは主に東京下町の名物として知られています。

ぬき鍋

続いて「ぬき鍋」というスタイルもあります。これは、ドジョウを背開きにし、ゴボウと共に煮込む料理です。このスタイルは文政年間に江戸で誕生したとされ、南伝馬町の萬屋説と本所石原の石井説の二つの起源が存在します。「ぬき鍋」は「抜き」または「裂き」とも呼ばれることがあります。

柳川鍋

さらに「柳川鍋」は、開いたドジョウを割下で煮込み、ゴボウと卵でとじた料理で、こちらもまた人気があります。これらの料理は、ドジョウの持つ独特の風味を活かし、豊かな味わいを提供します。

ドジョウの表記について

「どぜう」という表記は、駒形どぜうの初代当主である越後屋助七の発案とされています。かつては泥鰌や鰌と表記されており、旧かなづかいでは「どぢやう」や「どじやう」とされていました。四文字では不吉とされ、発音に近い「どぜう」が選ばれたのです。駒形どぜうは享和元年に創業し、「どぜう」の表記は文化3年（1806年）から用いられるようになりました。この老舗が採用したことで、幕末近くには他のお店でも「どぜう」という看板が使われるようになりました。

有名店

どぜう鍋を楽しめる有名店には以下のような場所があります：

• - 駒形どぜう（東京都台東区）
• - 飯田屋（東京都台東区）
• - 伊せ喜（東京都江東区、2012年頃に廃業）
• - 桔梗家（東京都墨田区）
• - ひら井（東京都墨田区）
• - どぜう大門（東京都足立区）

これらの店舗では、それぞれの特徴を持ったどぜう鍋を楽しむことができ、観光客にも人気です。どぜう鍋は今もなお、東京の食文化の一端を担っています。

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