どっちがどっち!

『どっちがどっち！』

『どっちがどっち！』は、NHK教育テレビジョンが制作したドラマで、2002年10月5日から12月28日まで全12回にわたり放送されました。原作は山中恒の児童文学作品『おれがあいつであいつがおれで』ですが、作品自体はオリジナルのストーリーとして構成されています。このドラマでは、ほとんどのキャラクターがオリジナルで、原作に登場するのは吉野アケミのみですが、その設定は異なっています。

あらすじ

物語は、愛知県瀬戸市の南坂小学校に通う6年生、りりかと淳を中心に展開します。性格が全く異なる二人は、りりかが気弱で感情的、一方の淳はわんぱくで正義感にあふれています。ある日、北坂小学校とのリレー大会の日に二人はそれぞれの理由から家出を思い立ちます。りりかはレッスンをサボるため、淳は母に会うためでした。

この日、淳は公園で居眠りしていた手品師の鞄を盗もうとする不良中学生たちを注意し、追い回される事態に。りりかもその騒ぎに巻き込まれ、二人は逃げるうちに転げ落ち、奇跡的に体が入れ替わってしまいます。この不思議な体験を通じて、二人は互いの立場や感情を理解し合い、成長していきます。

キャスト

• - 齋藤りりか (飯田美心)：南坂小学校のバレエ少女。母が自宅でバレエ教室を営んでおり、家庭環境の影響を受けています。性格は控えめで涙もろいですが、体が入れ替わった後は異なる体験を通じて大きく成長します。

• - 古谷淳 (渋谷謙人)：わんぱくで正義感の強い南坂小学校の生徒。幼少期に両親が離婚し、父と一緒に暮らしています。厳しい家庭環境の中で育っており、母に会いたいという思いが心の中にありながらも、それを実現できずにいます。

• - 古谷土彦 (梨本謙次郎)：淳の父で、運送店を営む男手一つで子を育てた頑固親父。息子を守りたい一心で厳しく接することもありますが、内心は息子をとても愛しています。

• - 天澤茜 (美保純)：淳の母で、看護師。息子のことを常に思い、手紙を通じて交流していますが、実際に会えることは難しい状況です。

• - 手品師 (マギー司郎)：物語の中で重要な役割を果たすキャラクターで、ストーリーの起点となる存在。

成長物語

ドラマ『どっちがどっち！』は、子どもたちの成長物語です。体が入れ替わることで、りりかと淳はそれぞれが抱える悩みや葛藤、そして家族との関係を見つめ直す機会を得ます。身体の状況こそ異なりますが、心の成長が描かれ、視聴者にさまざまなメッセージを伝えました。

二人は最終的に、クリスマスの日に再び元の体に戻りますが、その経験から得たものは、友人であるという事や、互いを理解することの大切さです。入れ替わり体験を通じて、二人の絆は一層深まりました。

このドラマは、単なるファンタジー要素にとどまらず、子どもたちの感情に寄り添った内容であったため、今も多くの視聴者の心に残っています。

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