なかよし (トムとジェリー)

なかよし (Kitty Foiled)

1948年6月1日公開の『トムとジェリー』シリーズの短編作品である『なかよし』(Kitty Foiled)は、人気キャラクターであるトムとジェリーに加え、シリーズ初登場となるカナリアが登場する、見どころ満載の作品です。

あらすじ

本作は、トムがジェリーを執拗に追いかけることから始まります。トムの家のペットであるカナリアは、その様子をじっと観察していました。ジェリーがトムに追い詰められた際、カナリアは自らの鳥かごを巧みに利用してジェリーを窮地から救い出します。しかし、その行動がトムの怒りを買い、カナリア自身もトムに追いかけられる羽目になります。

ジェリーはカナリアの親切に恩返しするため、トムの注意をそらし、カナリアを助けます。しかし、トムの怒りは収まらず、ジェリーとカナリアを執拗に追いかけ回すドタバタ劇が展開します。

追いかけっこの中で、ジェリーはトムに捕まってしまい、おもちゃの機関車の線路の上に縛り付けられてしまいます。トムは機関車に乗り込み、ジェリーを轢こうとしますが、まさに絶体絶命のその時、カナリアが機転をきかせます。カナリアはボウリングの球を線路に落として大きな穴を開け、トムは機関車ごと穴に落ちてしまいます。

危機を脱したジェリーとカナリアは、鳥かごのブランコに乗りながら、友情を深めて物語は幕を閉じます。

登場キャラクター

トム: ジェリーを執拗に追いかけるだけでなく、ジェリーを助けたカナリアにも攻撃を仕掛けます。最後はジェリーを機関車の線路に縛り付け、自ら機関車に乗ってジェリーを轢こうとしますが、カナリアの策略によって列車ごと床下に落ちてしまいます。

ジェリー: トムの追跡から逃れようとしますが、カナリアに助けられます。カナリアとの友情を育み、協力してトムの攻撃をかわしていきます。トムがカナリアによって撃退された後は、鳥かごの中でカナリアと仲良く遊びます。

カナリア: 本作で初登場するキャラクターです。トムの家のペットとして登場し、トムとジェリーの争いを観察していました。ジェリーがトムに襲われそうになった際に、鳥かごを使ってジェリーを救出します。その後、ジェリーと協力してトムに対抗し、最後はジェリーを救うためにボウリングの球を利用し、トムを陥れます。

音楽

本作では、ロッシーニ作曲のオペラ『セビリアの理髪師』の序曲が使用されています。軽快な音楽が、作品全体を盛り上げています。この音楽は、4年後に制作された『トム君空を飛ぶ』にも流用されています。

まとめ

『なかよし』は、トムとジェリー、そしてカナリアの三者間のユーモラスでスリリングな展開が魅力の作品です。友情、協力、そして少しの悪巧みといった要素が複雑に絡み合い、子供から大人まで楽しめる作品となっています。音楽の使い方も効果的で、作品全体に華やかさを添えています。 『トムとジェリー』シリーズの中でも特に人気の高い作品の一つであり、何度見ても飽きない、何度でも観たくなる作品と言えるでしょう。

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