ながつき (護衛艦)

護衛艦ながつきの概要

護衛艦ながつき（ローマ字: JDS Nagatsuki, DD-167）は、日本の海上自衛隊に所属する護衛艦であり、たかつき型の4番艦です。この艦名は旧暦の9月を指す「長月」から取られており、同名の艦艇は過去にさまざまな形で海軍の歴史に名を刻んでいます。特に、旧海軍の神風型駆逐艦や、睦月型駆逐艦の彼女にあたる艦艇でも「長月」という名前が使用されています。

艦歴

ながつきは、昭和41年度に計画された第2次防衛力整備計画に基づき、1968年3月2日に三菱重工業長崎造船所で起工されました。1969年3月19日に進水した後、1970年2月12日に就役し、第3護衛隊群に直轄艦として編入され、舞鶴に配備されました。この地は艦の基地として運用されることになり、その後、変わることなく定繋港として使用されました。

1976年には、練習艦「かとり」と共に遠洋練習航海に参加し、特にアメリカの建国200周年を記念する観艦式に参加したことは、艦の歴史の中で特筆すべき出来事となりました。1982年6月15日、足摺岬沖で行われた訓練中に、US-1飛行艇が故障し着水できなくなった際、ながつきがこれを曳航し、岩国基地へと救助する場面もありました。

1984年には第3護衛隊群隷下で新たに編成された第2護衛隊に加わり、1986年には再び遠洋練習航海に参加し、自由の女神の100周年を祝う国際観艦式にも参加しました。艦の活動はまた、1994年の北米方面への遠洋練習航海において、旗艦として護衛艦「たかつき」、「もちづき」、「しらゆき」と共に行動しました。この際、礼砲の装備や士官室の改装も行われ、艦は新たな姿で北米へ向かいました。

しかし、1996年4月1日には除籍され、1997年8月3日に若狭湾で護衛艦「ひえい」、「たかつき」と潜水艦「なつしお」の演習によって沈められました。

エピソード

興味深いことに、ながつきに装備されていた時鐘は、先代の旧海軍睦月型駆逐艦「長月」にも装備されていたものでした。この時鐘は戦後、現地の方が保管していたものが日本に持ち帰られ、当時の呉地方総監である筑土龍男海将の尽力により海上自衛隊に引き渡され、1970年に本艦の一部として装備されました。

ながつきの退役後、駆逐艦長月の時鐘と護衛艦ながつきの号鐘は揃って舞鶴の海軍記念館に保存されており、艦の歴史や海上自衛隊の伝統を今に伝えています。

参考文献

• - 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』（並木書房、2002年）
• - 『世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』（海人社、2004年）
• - 『世界の艦船 第750集』海人社、2011年11月号

このように護衛艦ながつきは、多くの重要な任務を担った艦艇であり、その活動と功績は今なお語り継がれています。

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