ななつ星 in 九州

「ななつ星 in 九州」は、九州旅客鉄道（JR 九州）が運行する観光を目的とした寝台列車であり、正式には「SEVEN STARS IN KYUSHU」として知られています。この列車は、九州各地の自然や食文化、温泉、歴史などを楽しむために設計されたクルーズトレインです。2013年 10月15日から運行を開始し、多くの観光客に愛されています。

目的とテーマ

列車名の「ななつ星」には、九州の7つの県（福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県）や、主な観光素材である自然、食、温泉、歴史文化、パワースポット、人情、列車という7つのテーマ、さらには7両編成の客車が込められています。JR 九州は、この列車を「大人の空間」と位置付けており、参加者の年齢は中学生以上に限定されています。また、車内では「スマートカジュアル」のドレスコードが定められており、ジーンズやサンダルなどのカジュアルな服装は避ける必要があります。さらに、列車内は全面禁煙であり、寝台個室にはテレビが設置されていないため、心地良い静寂を楽しむことができます。

受賞歴と人気

この列車は非常に人気が高く、2017年には申し込み倍率が約22倍に達しました。また、2014年にブルネル賞を受賞し、2016年には日本サービス大賞の内閣総理大臣賞も受賞しています。さらに、2021年から2023年までの3年間、アメリカの旅行誌「コンデナスト・トラベラー」においてトレイン部門第1位を獲得し、名実ともに世界一のクルーズトレインとして認知されています。

歴史と運行実績

ななつ星の構想は、JR 九州のデザイン顧問である水戸岡鋭治が以前から持っていたもので、初めての公式発表は2011年に行われました。運行開始からの数年間で、いくつかの重要な変更や運行の見直しが行われました。特に、2016年に発生した熊本地震や2017年の九州北部豪雨の影響によるルート変更がありましたが、観光への影響を最小限に抑えるための柔軟な対応が見受けられました。

車両とサービス

この列車では、専用のディーゼル機関車DF200形と、7両の客車から構成されています。客車はすべて大分鉄道事業部の大分車両センターに所属し、寝台車、ダイニングカー、ラウンジカーが揃えられています。特に、車内は水戸岡鋭治によるデザインが施されており、客室内は贅沢かつ落ち着いた雰囲気が演出されています。乗客は、洗練された食事を楽しみながら、窓の外に広がる九州の美しい風景を堪能することができます。

運行コース

「ななつ星」には、3泊4日コースと1泊2日コースの2つのルートがあります。1泊2日コースでは、博多から長崎を巡り、地元の名所を楽しみます。一方、3泊4日コースでは、阿蘇や由布院を訪れることができ、九州の自然や文化に浸ることができる充実した内容となっています。2024年春・夏のコースでは、1泊2日の料金が65万円から90万円（2名1室利用の場合）、3泊4日では125万円から170万円となっており、贅沢な旅行体験を提供しています。

専用ラウンジ「金星」

JR 博多駅内に設けられた専用ラウンジ「金星」では、乗客はウェルカムセレモニーや軽食、ドリンクサービスを受けることができ、出発を待つ間のリフレッシュ空間となっています。このような細やかな配慮により、ななつ星の旅が特別なものとして印象付けられています。

ななつ星 in 九州は、観光を通じて九州の魅力を再発見する贅沢な旅を提供します。自然と歴史、文化を巡るこのユニークな列車の旅は、きっとあなたの心に深く刻まれることでしょう。

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