大分鉄道事業部

大分鉄道事業部の歴史と大分車両センター、大分乗務センターの現状

大分鉄道事業部の歴史

大分鉄道事業部は、かつて九州旅客鉄道（JR九州）大分支社に属していた事業部で、大分駅構内に設置されていました。豊肥久大鉄道事業部と統合された後、2022年4月、大分支社に機能統合され廃止されました。

その起源は、1912年（大正元年）に大分駅に隣接して開設された大分機関庫に遡ります。当初は蒸気機関車7両が配置され、1936年（昭和11年）には大分機関区と改称、九州の鉄道網の要衝として蒸気機関車が36両も配置されるほど重要な拠点となりました。

1960年（昭和35年）には、大分機関区と大分客貨車区が統合され大分運転所が発足。その後、ディーゼル[[機関車]]や電気機関車の導入により、徐々に無煙化が進み、1973年（昭和48年）には蒸気機関車の運用が完全に終了しました。

1987年（昭和62年）のJR九州発足後も、大分運転所として機能を継承。その後、豊肥本線や久大本線の運用担当部門を分離し、1999年（平成11年）には大分鉄道事業部として再編されました。2008年（平成20年）には豊肥久大鉄道事業部と統合され、2022年（令和4年）4月、大分支社への機能統合により廃止となりました。

大分車両センター

大分車両センターは大分市牧上町に位置し、JR九州大分支社の管轄下にある車両基地です。元々は大分鉄道事業部の管轄でしたが、現在は支社直轄となっています。大分乗務センターに隣接しており、大分駅との間には専用の回送線が整備されています。

2006年（平成18年）に大分鉄道事業部と豊肥久大鉄道事業部の車両部門が統合されて発足しました。2016年（平成28年）には小倉総合車両センター門司港派出の廃止に伴い、多くの車両が転属、南福岡車両区に次ぐ規模となりました。

配置車両

2024年4月1日現在の配置車両は以下のとおりです。特急車両から普通列車車両、気動車、さらには『ななつ星 in 九州』用の専用機関車や客車まで、多様な車両が配置されています。

電車: 787系、883系、415系、815系など
気動車: キハ185系、キハ125系、キハ200形、キハ220形など
機関車: DF200形
客車: 77系

過去の配置車両としては、457系、717系、485系、783系、817系、キハ28形、キハ31形、キハ40形、キハ47形、キハ147形、キハ58形、キハ65形、EF81形、ED76形、トラ70000形、チキ5200形などがあります。これらの車両は、それぞれ異なる時期に運用され、現在では多くが廃車となっています。

一般公開

毎年10月下旬から11月上旬にかけて、車両センターの一部が一般公開されています。車両展示、車内開放、出店、駅弁販売、ステージイベントなどが行われ、多くの鉄道ファンが訪れます。アクセス列車として、「がちゃ列車」と呼ばれる団体列車が運行されることもあります。

大分乗務センター

大分乗務センターは大分市要町に位置し、JR九州大分支社の管轄下にある乗務員基地です。2021年3月13日に、大分運輸センターと大分車掌センターが統合されて発足しました。

運転士は日豊本線、豊肥本線、久大本線で、車掌は日豊本線、久大本線、豊肥本線でそれぞれ普通列車と特急列車の乗務を担当しています。

豊肥久大運輸センター

豊肥久大運輸センターは、かつて大分鉄道事業部の管轄下にあった運転士基地でした。大分駅構内にあった車両基地部門は、大分車両センターに統合され、2012年3月には残りの運転士部門も大分運輸センターに統合されました。

設備保全区所

大分鉄道事業部には、保線・電気設備の保全を担当する区所として、大分工務センター、佐伯工務センター、杵築工務センター、中津工務センターがありました。

参考文献

ジェー・アール・アール 編『JR電車編成表2024夏』交通新聞社、2024年5月24日
「JR旅客会社の車両配置表」『鉄道ファン』2023年7月号、交友社
* 「JR旅客会社の車両配置表」『鉄道ファン』2024年7月号、交友社

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